保険者インタビュー・導入事例

お預かりした保険料を「健康という対価」として還元するために

インタビューイー様のご紹介

ヤフー株式会社 GC推進室 室長 兼 YG健康保険組合 常務理事 市川 久浩 氏(写真 左から1番目)

ヤフー株式会社 GC推進室配属までは、
同社カスタマーサポート部門に所属し、第一線でお客様にサービスを提供。
健康経営とは異なる畑で歩まれたキャリアだったが、GC推進室長に抜擢され、ご活躍中。

ひとこと:
今までは、正直健診は受けてたけど再検査を忘れたことはありました。今はきちんと受けています(笑)。

 

YG健康保険組合 事務長 來田 宣之 氏(写真中央)

ヤフー株式会社に18年勤務。 健保設立プロジェクトに抜擢される前は、プロデューサーとしてプロダクト制作に携わる。 元エンジニアというキャリアのため、ITの推進に関しても最前線でご活躍。

ひとこと:
パソコンのセットアップやネットワーク設定も、事務長の仕事です(笑)。

 

YG健康保険組合 保健師 前田 由香 氏(写真右から1番目)

大学病院や健診センターでの勤務を経て、産業保健に携わる。
ヤフー株式会社入社後、昨年からYG健康保険組合の専任保健師としてご活躍。
被扶養者健診率を倍以上に増やすなど、従業員の特性に合わせた施策で成果を生み出す。   ひとこと:
ヤフーでは、社員同士が隣に座っていてもチャットで会話していて、最初は驚きました(笑)。 そんな企業特性も踏まえて保健事業を進めていくことにやりがいを感じます。

グッドコンディション推進室ならびに、YG健康保険組合の設立背景を教えて下さい。

市川氏: グッドコンディション推進室(以下GC推進室)は、2005年、ヤフー株式会社の初代社長である井上の時代に、GC推進室の前身となる “健康推進センター” という部署が設立されたのが始まりでした。

健康推進センターは、ヤフーという会社が大きくなりつつある中で、会社の義務である「産業保健を遂行する」というミッションを掲げ、医療職だけで構成されたチームとして立ち上がりました。

その後、2代目社長である宮坂の時代に、身体の健康だけでなく心の調子も整えることが、仕事と向き合う以前に大切であるという理念のもと、心の健康と身体の健康の両方を整える、「グッドコンディション推進室」という名称に変更しました。

そして、当社のグッドコンディションという考えを大きく進化させたきっかけとなったのは、 2017年、六本木から紀尾井町にオフィスを移転した際に、 3つのオフィスコンセプトのうちのひとつとして「グッドコンディション」が設けられたことです。

11階に社内レストラン、各フロアにマッサージチェアや雑魚寝ができるスペースを置き、 それと共に内科のクリニックを誘致するなど、グッドコンディションを推進する環境が整ってきました。

この頃、ヤフーグループの経営資源を使って、従業員とってより良いサービスを提供したいという思いがあり、 2018年4月に、YG健康保険組合を立ち上げることになりました。

総合健保から独立した、もっとも大きな目的は何だったのでしょうか。

來田氏: もっとも大きな目的は、保険料を適正化することでした。 同時に、保健事業への投資方法を自らの意思でコントロールできれば、加入者に最適なサービスを提供できると考えました。

現在、YG健康保険組合では、17事業所で被保険者と被扶養者含め 15,000名の加入者に向けた事業を展開していますが、 その内、ヤフー株式会社に所属する社員数はおよそ7,000名です。

つまり、グッドコンディション室でカバーできる人数は7,000名に留まりますが、 YG健康保険組合では、これから日本のITを担っていくであろうヤフー株式会社および親会社のZホールディングスのグループ会社に所属する15,000名の加入者のグッドコンディションを整えて行きたいと考えています。

ヤフー株式会社は2019年健康経営銘柄に選定されましたが、
現在、健康保険組合として直面している課題はどのようなことですか?

市川氏: 私はGC推進室長と健保組合の常務理事という2つの役割を持っており、会社と健保との間で業務量のバランスには気をつけていますが、 健保運営メンバー8名がすべてを保健事業に投入できるわけではないので、加入事業所全てに手厚くできていないことを課題に感じています。

來田氏: そこで企業と健保のすみ分けを行いました。 例えば、私は健保とGC推進室を兼務しているため、健保が事業所に依頼した業務を結局私が受けることも多く、そこに限界を感じて事業所側の担当を別にしました。

そして、現在では以下のように業務を分担しています。

・健保はPep Upを中心としたプラットフォームや、加入者向けサービスを提供する(財源とプラットフォームを提供)
・事業所側では運用やイベントの推進を行う(人とアイデアを提供)

また、健保と事業所とで週1回定例会を行い、コミュニケーションをとっています。 今は、加入者の中でもヤフー株式会社の所属者が占める割合が大きいので、注力している形になっていますが、 将来的には他の事業所も公平にやっていく必要があると感じています。

そのため、まずはヤフー株式会社でパイロットプロジェクトとして保健事業をスタートさせ、 成功したら他の事業所にも広げていこうと考えています。

健康保険組合を設立して、変わったと感じる部分はどのようなことですか?

秋本様:
他社のサービスを使うとデータを渡す先が増えてプラスのコストもかかってしまうため、JMDCでの導入を決めました。

三田様:
導入するとなれば、一気に登録率を80〜90%まで上げないと狙った効果の発揮や経費削減が図れないと思い、JMDCから北海道信金健保の事例を聞くなど情報収集をしました。
以前から、全国の信金信組が集まる協議会やブロック会議などがあったため他の信金健保とも親交があります。先行してPep Upを導入していた北海道信用金庫健保や静岡県信用金庫健保には電話やメールで資料まで送っていただき大変参考になりました。本当に感謝しています。

YG健康保険組合としての今後の展望をお教えください。

來田氏: 健康保険組合では、健康診断を軸に、未来の病気やそのリスクを減らすことに注力していきたいです。 これは医療データを持っている健康保険組合だからできる事と考えています。

また、健診・日々のデータ、バイタルデータ、運動記録などをもとに 加入者自身が健康増進のために選択し、行動できる後押しをしていきたいです。

今あるアセットは最大限に活用し、無いものは行動して集める。 そして、数年後に結果のエビデンスが出せるようにすることが目標です。

そのエビデンスを元に、病気になってしまっても「健保でサポートできます」とメッセージを積極的に発信していきたいです。

そのためにもデータを集積して、分析する事は健康保険組合にとってのトッププライオリティだと考えています。

YG健康保険組合の運営において、大事にされている考えをお教えください。

市川氏: メンタルケアは、健保では対応が難しい分野です。

そのため、事業所ではメンタルケア、健保ではフィジカルケアと、 車の両輪のように、それぞれの強みを活かした保健事業の展開が重要と考えます。

自分自身とご家族の健康があってこそ、仕事にしっかり向き合えることができるのだと思います。

基本的な考え方として、健康保険組合の役割は、 「保険料を預かり、加入者や事業者に健康という対価を還元するサービス業」だと考えています。

サービス業なので、どうしたらお客様である加入者の方のためになり、また支持されるかをいつも考えています。

   

取材日:2020年6月26日


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