保険者インタビュー・導入事例

ICT登録・イベント参加の相乗効果を生む各拠点との協力体制

インタビューイー様のご紹介

内藤 隆 様(写真左から2番目)
事業部長代理。前職の健康保険組合でもPep Upを担当。

井上 悦子 様(写真左から5番目)
事業部 主任。日産自動車健康保険組合全体におけるPep Up担当。

丹羽 知子 様(写真左から4番目)
日産自動車健康保険組合全体におけるPep Up担当。

斉藤 真衣 様(写真左から3番目)
日産自動車株式会社・日産自動車九州株式会社におけるPep Up担当

高星 輝次 様(写真左から1番目)
日産自動車株式会社・日産自動車九州株式会社におけるPep Up担当
導入の背景 重症化予防や特定保健指導を40歳以上に行うだけでは不十分だと感じて、ICTを活用したポピュレーションアプローチにより従業員が自ら健康のことを考えてもらえるようにしようと思いました。
導入の決め手 「健康の自分ごと化」というコンセプトが我々の考えていたことと合致していました。
導入後の効果 Pep Up登録率とイベント参加率が相乗的に向上しています。

事例概要

加入者数約14万人という大規模健保ながら、Pep Up(JMDCが提供するICTツール)の登録率を向上し続けイベントもフル活用されている日産自動車健康保険組合様。
どのような体制で取り組みを行っているのかお話を伺いました。

日産自動車健康保険組合様について教えてください。

井上様:
日産自動車株式会社・日産自動車九州株式会社を母体とし、59事業所が加入しています。加入者は約14万人で、被保険者が約7万人、被扶養者が約7万人です。
各工場の診療所(全国14カ所)に勤務している健康管理の担当者は、全員が健保職員ということが特徴です。

高星様:
元々日産自動車株式会社社内の安全健康管理室が診療所を持ち従業員の健康診断などを行っていましたが、20年ほど前から健保に業務委託するようになり職員が出向してきて、結果としてこのような体制となりました。

斉藤様:
各診療所には 看護職が約100人いて、会社と連携した産業保健を展開しつつ健保としての業務も行っています。

内藤様:
日産自動車健保に来てこの体制にとても驚きました。

高星様:
日産自動車(株)・日産自動車九州(株)に関しては、例えば年度の安全衛生活動計画立案などにも、健保として一緒に係っております。このようなことから、会社と健保は密な連携がとられているといえると思います。

Pep Up導入の経緯について教えてください。

高星様:
私は元々日産自動車株式会社の安全健康管理室にいて2013年から2020年まで従業員の健康管理を担当していました。当時は喫煙率や長時間労働が課題としてありました。2017年頃にどちらの課題も落ち着いてきて、次はホワイト500を見据えて取り組みを考えたときに、40歳未満でも生活習慣病関連の疾病の有所見率が高いことに気がつきました。そこで重症化予防や特定保健指導を40歳以上に行うだけでは不十分だと感じて、ICTを活用したポピュレーションアプローチにより従業員が自ら健康のことを考えてもらえるようにしようと思いました。

JMDCに相談したところPep Upの提案をもらい、「健康の自分ごと化」というコンセプトが我々の考えていたことと合致したため導入を決めました。
初めは4事業所の被保険者のみトライアルという形で2018年11月に導入し、2019年7月に全ての事業所の被保険者・被扶養者へ展開しました。

井上様:
トライアルとしては新規登録キャンペーン(Pep Upへの登録でポイントインセンティブを付与)での登録者数が重要だと考えていたので、動画を作成したり様々な会議体に参加したりと事前周知に力を入れました。

高星様:
2018年度初めに安全健康管理課に説明し、8月頃から従業員に周知を開始しました。また、2018年11月から2020年10月まで2年間、毎週各事業所に登録率の報告をして登録促進をお願いしていました。
初年度の目標登録率は30%でしたが、現在では健保全体で約62%です。

井上様:
加入者数が多い日産自動車(株)・日産自動車九州(株)は特に登録率を上げるのが難しく継続して活動をしており、未登録者には健診後の情報提供の資料にPep Upの案内を同封しています。

丹羽様:
健保全体の登録率向上の策として、 未登録者へは年3回登録案内を送っているので、登録者数は増加し続けています。
さらに、健診予約をPep Upから行なってもらうようにしたところ、登録に関する問い合わせがたくさん来るようになりました。

Pep Upではどのようなイベントを行なっていますか?

丹羽様:
健保全体でのイベントは、健康クイズ(健康に関するクイズへの回答でポイントインセンティブを付与)、体重測定チャレンジ(体重を測定し記録をつけることでポイントインセンティブを付与)を2回、ウォーキングラリーを2回、年間計5回実施しています。このほかにも各事業所で企画しているイベントがあります。また、関係会社の従業員に対しても同様に取り組みを進めるよう呼びかけています。

斉藤様:
各事業所 の取り組みとしては、それぞれ課題は異なりますので事業所毎に独自のイベントを開催しています。Pep Up導入前からその課題に合わせて各診療所が対策を考えていた経緯もあり、Pep Upでできる計画を色々練っています。

井上様:
従業員数に応じて、あらかじめポイントインセンティブの予算を渡しています。その予算をそれぞれの事業所の課題に則した活動に活用しています。

高星様:
具体的には、新規登録キャンペーン、運動習慣を定着させるため健保全体のウォーキングラリーの直後に実施する事業所単位でのウォーキングイベント 、事業所独自の健康セミナー参加などに事業所に割り当てられたポイントを活用して付与しています。
セミナーはPep Up登録者に限らず対象にしていますが、ポイントをもらうためにPep Upに登録してくれる人も多いようです。

井上様:
関係会社によってイベントや活用状況のばらつきがあるため、健保としては事業所の担当者とも意見交換しながら進めていけるよう考えています。

健保様での目標はありますか。

井上様:
導入から4年が経ちますが、継続的にPep Upを活用している方ばかりではないこともわかっています。登録して最終ログイン日が登録日という人もいますので、登録率ばかりに目を向けるべきではないと思っています。
未登録者へは登録案内を送れば良いですが、一度登録した人には自分からアクションを起こしてもらわなければいけません。次のステップとして、イベント参加率などどれくらいの人が活用しているのかも重要な視点と考えています。

高星様:
日産自動車(株)と日産自動車九州(株)においては、今年度から登録率とイベント参加率をかけあわせて総合水準を出し、事業所の担当者や産業医へ報告するようにしています。
登録率を上げるとイベント参加率が下がるのではないかと懸念する方もありましたが 、これまでのデータを見る限りそのようなことはなく、むしろ登録率が上がると参加率も上がる傾向が見られます。

他の大規模健保へメッセージをお願いします。

井上様:
Pep Up導入から母体である日産自動車内の診療所スタッフの皆様の協力をいただきながら、登録促進・活用促進を図ってきました。
導入時には、こんなことはできないのか、こんな機能は無いのかなど、様々な意見や要望もありましたが、現状できる内容を説明し理解してもらうなど協力体制が築けたからこそ、今こうして多くの方が登録していただき活用していただいているのだと思います。
これからもさらに多くの方に活用いただけるよう、担当者同士での情報交換を行い、楽しく健康づくりが出来るよう今後も工夫していきたいと思います。

高星様:
Pep Upがどの様なものなのか、どのようなことができるのか知っていただくために、私もいろいろな資料を作って情報発信をしてきました。

井上様:
加入者数が多く思うように周知が進まないことがありましたが、従業員への告知のみならず母体企業や関係会社の担当者へも継続的に情報共有することが今後も必要だと考えています。

内藤様:
以前所属していた健保でもPep Upを利用していました。当時と比べると加入者数の規模も組織体制も全然違いますが、登録率促進などの活動を地道に行っているところは共通しています。前健保のときも全国の拠点にいる会社の保健師さんたちに協力してもらっていましたから、健保からの働きかけだけでなく、それぞれの事業所で事業所の実態に合わせた自立した活動も必要だと感じています。

ありがとうございました。

取材日:2022年10月3日


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