保険者インタビュー・導入事例

表現の工夫で伝わり方は大きく変わる。
らくらく健助トップユーザーへのインタビュー

インタビュイー様のご紹介

キユーピー・アヲハタ健康保険組合 常務理事 平山様


事例概要

2023年3月に開催されたJMDCユーザー会で、最も積極的に「らくらく健助※1」を活用されたキユーピー・アヲハタ健康保険組合 常務理事 平山様に、JMDCから「らくらく健助を最も活用したde賞」が贈られました。
平山様が日々どのようにらくらく健助を駆使しているのか、健助を活用してどのような分析・抽出やレポート作成を行っているのかを出しているのかお話を伺いました。

※レポート作成、分析、検証、介入を網羅した保健事業の推進支援ツール「らくらく健助」 
「らくらく健助」は、データヘルス計画で必要な分析レポート作成をはじめ、保険者課題の分析・グラフ作成・保健事業の効果検証・加入者様への個人介入対象者抽出にいたるまで、幅広い領域の業務を効率化する支援ツールです。

キユーピー・アヲハタ健康保険組合の概要

キユーピーグループを母体とした単一健保で、加入者は1万7千人。適用事業所は37拠点です。被保険者が55%女性割合が57%と女性の割合が多いのが特徴です。
加入者数 7,495人
  9,823人

 

ーらくらく健助導入の背景を教えてください。

導入時の話によると、2017年の導入以前は他のベンダーの医療費分析ツールを使用していましたが、そのツールではデータ集計ができず、すべてのローデータを自社のパソコンにダウンロードしてExcelで集計する必要があり、時間もかなりかかっていました。

サポートもあまり良くなく、ユーザーフレンドリーなシステムではありませんでしたので、代替のシステムを探すことにしました。

JMDCの「らくらく健助」は、医療費や健診データの突合分析や詳細な調査を行いやすいよう、保険者向けに特化して開発されており、データの集計も自社のパソコンやデータベースにダウンロードする必要はなく安心して集計することができます。
セキュリティ面においても信頼できます。

導入当初からJMDCの担当者は変わっていますが、どの担当者も必要な時に来てくれて、適切な提案をしてくれています。

ー普段はどのようにらくらく健助を使われていますか?

毎月月報を作るために使用しています。

月報用のデータをマイメニュー(分析設定条件を保存できる機能)に登録しているので、そのデータを出力してExcelに貼り付けるという定型の作業です。

グラフを生成する独自のフォーマットをExcelで作っていて、過去データも含めているので推移がみえるようになっています。毎月の作業はそれほど時間がかかりません。

マイメニュー登録とは?
指定した分析設定条件の保存が行える機能

 

 

らくらく健助は、データ分析結果を画面上で表示するだけでなく、出力するシステムだと考えています。

データ分析結果を出力し、月次や年次の推移をグラフ化して把握することが重要だと考えています。
データの推移を把握することによって、現在の課題や将来の取り組み事項が明確になることが多いからです。

また、事業所からの依頼に応じて健康経営に関連する数値を提供する際にもらくらく健助を活用しています。

健康経営の担当者会議では、「こんなことを伝えたい」という相談がある場合にも、「こういったデータを提供できますよ」といった提案を行っています。

ー報告書や事業所への伝え方の工夫について教えてください

健康は個人の範疇のことなので、なかなか会社単位で取り組んでもらうのは難しいと思います。
だからこそ私は意識してもらえるようなデータの作り方や伝え方に気をつけています。

事業所の窓口は総務の方ですが、通常業務も忙しいので、伝える情報をできるだけ絞り込んでいます。

現在は、
「がん検診受診率の順位」
「生活習慣病リスク者への医療機関受診勧奨の案内をしてほしい」
「ヘルスアップキャンペーンの参加率」
の3つに情報を絞り、事業所別ランキングとともにコミュニケーションを取るようにしています。

他と比較されるとデータをしっかり見たくなると思いますし、実際にがん検診の受診率が低く、ランキング下位の事業所から「がん検診の受診率をどうやってあげたらいい?」と相談をうけることもありました。
順位をつけると気にしてくれることもあります。

さらに、大切なのは「自分ごと化」して考えてもらうことだと思います。

例えば、経営層に「医療費が1100~1200万円下がりました」と報告するだけでは聞き流されて終わってしまうと思うんですが、「経営に置き換えると今は見えないですけど純利益ですよね。1100万の純利益を出そうとすると何倍の売上を作らなきゃいけないか?」という話なんです

経営者には伝え方を工夫すると、興味を持ってもらえます。
伝え方ひとつで、受け取る側の印象にかなり違いが出てくると思います。

ー保健事業の効果検証にはどのように活用されていますか?

らくらく健助にある「外部リスト分析機能」を活用し、「産業医面談の対象者の面談後の受診状況を産業医と共有する」ことを一部事業所で今年から試験的にはじめています。

事業所が健診値を見て、ピックアップした対象者(要医療の方)に対し産業医面談を実施し、その後医療機関に行っているかを共有しています。
今までは面談後にアンケートのような報告書を見ていましたが、回答がないこともあり、電話をしても「行きました」で終わってしまうこともあったんです。

事業所にいる産業医さんや保健師さんはレセプトデータが見られないので、対象者リストをらくらく健助で取り込み、受診状況を確認し、未受診者に向けて再度面談を実施するという働きかけができます。さすがに健保でも対象者一人ひとりのレセプトは見られませんので、らくらく健助があるからできる施策です。

こういった取り組みを産業医、保健師と健保でやっていこうとしています。うまくいったら全事業所展開をする予定です。

外部リスト分析機能とは?
保険者様が用意した対象者リストを取り込み、レセプトや健診と突合した分析=効果検証が行える機能

ーらくらく健助をうまく活用できていない方々に対してどのようなアプローチが必要だと思いますか?

毎月の検証をするには最適なツールなので、検証作業を定型化してしまうことが必要だと思います。

前述したように、Excelで検証用のフォーマットを作り、そこへ定型のデータを貼り付けるようにすることで毎月の作業を定型化しています。
「このデータを分析したい」と思った時、何もない状態で始めるより既にあるフォーマットに当てはめていく方がハードルが低いと思うんです。

次に、課題を与えて作業に目的を持たせることが重要です。

例えば、保健事業の効果検証をして報告書を作ろうと思ったら、検証のためのデータが必要になりますよね。
「このデータが必要だ」と思ったら自然とらくらく健助を使うようになりますし、操作にも慣れてきます。
部下に仕事を割り振る際にその仕事の意義を伝える必要があるとされていますが、これも同じですね。

また、らくらく健助ヘルプデスクの方々は非常に親切で、私も何度もお世話になりました。
マニュアルだけでは分からない部分もあるので、ヘルプデスクの方にもマニュアルの同じ部分を見ていただきながら質問しています。
現在、当組合もらくらく健助をもっと活用するために動いているところなので、困ったことがあったらすぐにヘルプデスクへ質問できるということを広めていきたいです。


ー今後取り組みたい課題はありますか?

1点目は、特定保健指導の効果検証です。
保健指導実施後3〜5年が経過して、保健指導実施者の健診データがどう変化しているのかを調査していきたいです。

2点目は、がん検診受診者の精密検査受診率や治療状況のデータを取って、効果検証を行っていきたいと思っています。
がん検診を行うことで早期発見・早期治療ができ、医療費も抑制できているということがわかれば良いなと思います。

また、らくらく健助をほぼレセプト分析にしか使っていないので、「おすすめ分析」「レポートを作る」機能も活用していきたいです。

「おすすめ分析」とは

よく使われている基本的な分析設定がまとまっている分析メニュー。レセプト分析では3大生活習慣病の受療率、各種悪性腫瘍 受療率(年齢別)や、検診分析では、特定保健指導レベル 年間推移、血糖経年変化などのメニューがある。

 

「レポートを作る」とは
生活習慣病に着目し、健康〜重篤な状態を8階層に分類した健康マップで表現する機能や、医療費、傷病傾向などの要点を絞った理事会用レポートというメニューがある。

 

ーらくらく健助やJMDCに求めるものはありますか?

現在活用できていない人たちのために、求めているデータにアプローチする分析方法を提案していただけたらと思います。
例えば、フローチャートのようにいくつかの質問に答えると、個々に合った使い方のおすすめが表示される機能があると面白いですね。実際にデータを出力していない人に対しても、提案があると一歩踏み出しやすくなるでしょう。

また、健助の操作方法についての集合型勉強会もさらに必要だと感じています。
オンラインでの開催は行っていただいているのですが、コロナ禍以前のように集合型で行う勉強会の復活も期待しています。
せっかくの良いシステムなので、上手に活用できる人が増えることを願っています。

インタビューを終えて

らくらく健助へのログイン回数が全ユーザー様でトップということもあり、インタビュー前から平山様の使い方にはとても興味がありました。

ここまでご紹介してきた通り、特別な使い方はしておらず非常にシンプルな使い方をされていました。
平山様は以前ECサイトの業務に関わっていたため、月ごとの変化を報告するための基盤があったことも、精力的に活用されている大きな要素だと感じました。報告したい内容を絞ることで、らくらく健助でどのような情報を抽出すれば良いかが明確になり、推移やランキング表示を活用して事業所に興味を持ってもらう報告方法については、非常に勉強になりました。

今後ともぜひらくらく健助を活用いただき、保健事業の推進、効率化にお役立ていただければ幸いです。

今回はインタビューのお時間をいただき誠にありがとうございました。




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