保険者インタビュー・導入事例

現場との協力や活用の工夫で共済初「Pep Up」導入を実現!
一歩先を見据える保健事業を目指して

(写真左から:宮田様、新谷様、木吹様)

インタビュイー様のご紹介

石川県市町村職員共済組合
事務局長 宮田 一彦 様
局参事 兼 福祉課長 新谷 喜弘 様
木吹 敦子 様

事例概要

石川県市町村職員共済組合様は、全国47の市町村職員共済組合のひとつです。石川県内の市町村や一部事務組合などに勤務する職員と、そのご家族が加入しています。健康保険組合と同様に、医療給付や保健事業を担う保険者として、加入者の健康保持・増進に取り組んでいます。

同組合では、第3期データヘルス計画の策定にあたり、JMDCと連携し保健事業全体の見直しを実施。その結果、既存施策の不足や加入者の健康課題が明らかになりました。
それらの解決策として導入したのが、JMDCのPHR「Pep Up」です。導入にあたっては、所属所や加入者に丁寧に働きかけ、さらに「共済ならではの工夫」も取り入れました。その結果、登録率は短期間で向上し、業務効率化も図れたといいます。
今回は、石川県市町村職員共済組合様における「Pep Up」導入および活用について伺いました。

プロフィール

石川県市町村職員共済組合
被保険者

19,338人(男性7,822人、女性11,516人)

※令和7年10月1日時点

被扶養者 10,866人

組合員の特徴:血糖値をはじめとする生活習慣病に関する課題がみられ、健康意識の向上が今後の課題となっている。

 

多くの課題の解消につながるとの期待から導入を決断


新谷様:
第3期データヘルス計画を策定するにあたり、JMDCのサポートを受けながら、保健事業全体の見直しを行いました。
すると、これまで力を入れて実施してきた「人間ドック受診費用の補助」は、疾病の早期発見や予防の観点で重要な施策ではあるものの、健康改善や医療費削減への効果は不明瞭であることがわかったのです。さらに、血糖値を含む、生活習慣病の課題も浮き彫りになりました。
こうした当組合が抱える課題を解消するには、より効果的な施策を検討する必要があるという結論に至りました。そこで、「Pep Up」を活用して、加入者の行動変容を促す仕組みを構築しようと考えたのです。


宮田様:
新谷からお話しした課題を解消するには、加入者が高い健康意識を持つことが求められますが、当組合では十分とはいえない状況でした。では、どうすれば個人の健康意識を高められるか。そのためには、まず「自身の状態を可視化すること」が必要です。そこから一人ひとりが自身の体を把握し、理解を深めてこそ、生活習慣の見直しや改善につながります。
健康状態の可視化には「Pep Up」がまさに有用であるため、これを軸に仕組みを整えていきたいと考えました。



木吹様:
また、健康の維持や疾病の予防への取り組みを強化したいと考えていました。そのためには、これまで主に健康リスクの高い方(特定保健指導の該当者など)に行ってきたインセンティブ付与を、健康な方にも行う必要があります。その点、「Pep Up」はポイント機能を備えており、幅広い加入者にインセンティブを付与できるようになる点も魅力でしたね。
さらに、紙での医療費通知発行にかかるコストも課題でした。印刷・封入・郵送などに年間で約200万円の費用がかかっており、事務作業の負担も大きかったんです。この点も、「Pep Up」で通知を完結できるようになれば解消できると考えました。


新谷様:
あとは、当組合では特定保健指導の委託先が複数あることもあり対象者や進捗の確認などにかかる事務負担の大きさも課題でした。「PepUp保健指導」を活用すればそれらを一元管理できるようになるため、事業運営の効率化を図れると期待しました。


宮田様:
このような期待から、「Pep Up」の導入に踏み切りました。共済組合での導入は当組合が初めてだったので不安もありましたが、JMDCのサポート体制と分析力、そして多くの健保での導入実績が安心材料となりました。


PepUp保健指導|健康診断結果(体格 [腹囲・BMI]、血圧、脂質、血糖)から、生活習慣病予防が必要であると判定された方が、保健師や管理栄養士の資格を持った担当指導員と生活習慣改善を目指す約3ヶ月間のオンラインプログラム。(※オプション機能)

丁寧な案内や既存の制度との組み合わせで登録率が向上


宮田様:
「Pep Up」の導入にあたっては、まず所属所の理解と協力を得ることから取り組みました。現場で加入者対応を行うのは所属所であり、仕組みや目的をしっかりと理解してもらう必要があったからです。
そこで所属所向けの説明会を開催し、導入の目的や活用方法を丁寧に説明。現場の疑問や不安にしっかりと耳を傾け、その一つひとつに回答していき、担当者の皆さんに理解を深めてもらいました。ちなみに、説明会にはJMDCの営業担当者にも同席いただきました。
また、一部所属所ではすでに別の健康アプリを導入していたため、「Pep Up」との比較表を作成し、違いや「Pep Up」を導入する意義をわかりやすく提示。関係者全員が共通認識を持てるようにしました。


木吹様:
所属所向けにはQ&A集を作成し、問い合わせにスムーズに対応できるよう準備しました
また、加入者に対しては、「Pep Up」の登録手順をわかりやすく案内するため、オリジナルの動画マニュアルや説明資料を用意。スマートフォン操作が苦手な方も登録に迷わないようにしました。(下記画像参照)


新谷様:
それから、共済独自の制度である「共済貯金」の申請手続きを「Pep Up」で完結できるようにしました。 これまでは紙での申請が中心で、所属所を経由する必要もあり、時間も関係者の手間もかかっていたんです。 私たちは所属所でのフローや加入者の手続きについてはよく理解していたため、「既存の制度をデジタル化して利便性を上げる」という視点で取り組みました。そして、いざ実践してみると、この施策の成果は利便性の向上だけにとどまりませんでした。すでになじみのある制度を「Pep Up」という新しい仕組みに取り入れたことで、加入者に親しみやすさやプライバシー面への信頼感が生まれ、活用のきっかけにもなったのです


宮田様:
こうした取り組みが功を奏し、スムーズに登録を進めることができました。導入から約2ヶ月で登録率が35%に到達。
なお、各種申請の手続きについては、紙から「Pep Up」への移行率が6割に達していま。デジタル化に伴うトラブルやクレームもほとんどなく、加入者にとっても使いやすい仕組みであることを改めて実感しました


独自に制作したPep Up動画マニュアル|Pep Upの基本機能や登録方法、共済貯金払戻申請方法までを、わかりやすく解説。
なお、Pep Upでは、導入健保様向けに初回登録や活用促進に役立つ各種広報資材を用意しています。

 

広報誌|「Pep Up」紹介コンテンツを展開。アプリの使い方や健康年齢の見方などをわかりやすく紹介。

イベント機能を活用して「楽しい健康づくり」をサポート

宮田様:

導入後は、「ウォーキングラリー(春・秋)」「体重測定チャレンジ」「健康クイズ」など、イベント機能を積極的に活用しています。加入者の参加しやすさや季節などを考慮しながらイベントを計画し、「楽しみながら取り組める健康づくり」のサポートに努めています。

なかでも、ウォーキングラリーはチーム参加型としたことで、職場内のコミュニケーション促進にもつながり、メリットが非常に大きいと感じています。

 

 

木吹様:
そうしてチームで取り組んだり、参加者同士でランキングを見ながら競ったりすると、ゲーム感覚で楽しめますよね。歩数や体重の記録による“見える化”と同じく、モチベーションの維持にもつながっていると思います。
「Pep Up」のイベントを通じて、「健康を意識する」段階から「実際に行動を起こし、継続する」段階へとステップアップしてほしいと考えています。

保健事業の効果を高め、加入者自ら行動する未来を目指す

宮田様: 当組合はまだ「Pep Up」を導入したばかりで、基盤を整えている段階ですが、今後は加入者一人ひとりの健康意識をより高め、行動変容につなげる仕組みをさらに強化したいですと考えています。最終的には、加入者の皆さん自ら健康に関心を持ち、行動を起こせる状態を目指しています。

 

新谷様 「 Pep Up」のデータやイベント機能を通じて、加入者の関心や行動傾向も把握できるようになってきています。今後はこうした情報も活用しながら、より効果的な保健事業を展開していきたいです。

 

木吹様: 私も「Pep Up」による“健康状態の見える化”で気づきを促し、さらに「行動」のきっかけを与え、健康行動を定着させられたらと思っています。 目下の目標としては、血糖値をはじめとした生活習慣病との関係が深い項目について、「やることチャレンジ」などを活用した意識づけに取り組みたいですね。

 

 

Pep Up加入者向け機能|「わたしの健康状態」や「日々の記録」を通じて、健診結果や日々の行動を見える化し、加入者の自発的な健康づくりを支援する機能。



インタビューを終えて


所属所や加入者にさまざまな角度からアプローチをしたり、「共済貯金」を「Pep Up」上で申請できるようにしたりと、登録率の向上や活用促進への工夫を積極的に実施してきた石川県市町村職員共済組合様。
特に後者の取り組みは、「Pep Up」が掲げる「加入者の健康の自分ごと化」と「保険者の業務効率化・コスト削減」の両立を実現しており、とても印象的でした。

導入開始から間もない中でも「ウォーキングラリー」や「チャレンジ企画」などのイベントを行い、加入者が楽しみながら健康づくりに取り組むための支援を着実に実践されています。こうした石川県市町村職員共済組合様の取り組みが、「Pep Up」活用の新しいモデルケースとして広がっていくことを期待しています。

本記事のご感想や今後希望するテーマなどぜひご意見をお寄せください

関連記事

データ分析や保健事業でお悩みの方は
お気軽にご相談ください

CONTACT
保険者様・企業様お問合せ専用

平日10:00~17:00

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
保険者支援実績No.1
JMDCのサポート内容はこちら
お役立ち情報満載の
メルマガをお届けします