後期高齢者支援金加算・減算制度2021年度改定で何が変わった?
今回は、2021年度改定の詳しい内容や保険者の皆様が取り組むべき保健事業についてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.2021年度改定のポイント
- 2.さいごに
2021年度改定のポイント
加算・減算制度の2021年度の改定では、これまでと比べて実施結果と効果検証がより求められるようになりました。
各項目の変更のポイントおよび考えうる保健事業は以下の通りです。
大項目1
・「特定健診・特定保健指導の実施率」の配点が減少
・「被扶養者への特定健診・特定保健指導の実施率」の配点は増加
・「特定保健指導の対象者割合の減少」の配点が大幅に増加
保健指導対象者を減らすためには、新しく対象者となる「新規流入者」と前年に引き続き対象者となる「継続対象者」の双方にアプローチする必要があります。
新規流入者に対しては、将来保健指導対象者になるリスクが高い人へ減量プログラム等の提供を行うことが有効です。
また継続対象者に対しては、自助努力ではなく服薬による健診値改善を目指すという方法があります。こういったリスク者に対しては医療機関への受診勧奨通知を利用しましょう。また、例年と同じ保健指導によるマンネリ化を防ぐために、オンライン保健指導を導入するのもおすすめです。
大項目2
・「個別に受診勧奨・受診の確認」の配点が減少
・「受診勧奨対象者における医療機関受診率」の項目が新たに追加
・「糖尿病性腎症等の生活習慣病の重症化予防の取組」の配点が増加
・「糖尿病等未治療者及び治療中断者に文書の送付等により受診勧奨及びアウトカム指標により評価」の項目が新たに追加
糖尿病性腎症の患者が増加すると、将来透析のリスクが高まり保険者の負担が膨れ上がります。対策としては、eGFRや尿蛋白のデータからリスク者を抽出し、腎臓専門医への受診勧奨を行うことが考えられます。
また治療中断者へのアプローチとしては、薬剤処方実績を追跡して対象者を抽出し継続通院を促すと良いでしょう。
弊社では、それぞれの課題に対して「慢性腎臓病重症化予防通知」「継続通院勧奨通知」を提供しています。
(JMDCの慢性腎臓病重症化予防通知)
(JMDCの継続通院勧奨通知)
大項目3
総合評価の配点が大幅に減少
大項目4
総合評価の配点(22点)は変わらないが、項目の内容は変更された
・「後発医薬品差額通知の実施」などの項目がまとめられ、配点は減少
・「後発医薬品の使用割合」の配点が大幅に増加
・「加入者の適正服薬の取組の実施と評価」の項目が新たに追加
複数の医療機関から処方された薬の相互作用により、好ましくない症状や意図しない徴候(有害事象)が現れてしまう可能性があります。
服薬の適正化のためには、薬の処方が多く有害事象のリスクが高い人へ処方内容を通知し、かかりつけの医師や薬剤師に相談してもらうことが効果的です。
この取り組みにより、加入者の健康増進の他、薬剤費・調剤費の削減も期待できます。
弊社においても、「ポリファーマシー対策通知」を活用した適正服薬の取組支援が可能です。
大項目5
・「がん検診の実施」から「胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5種のがん検診を全て実施」に変更
・「要精密検査対象者における精密検査受診率」の項目が新たに追加
・歯科の項目の配点が増加
大項目6
総合評価の配点が減少し、効果検証まで求められるようになった
・喫煙の項目の配点が増加
大項目7
変更なし
さいごに
JMDCでは、加算・減算指標の各項目に対応したソリューションのご案内・ご提供が可能です!
保健事業の実施でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。