2018年度以降の被扶養者健診の取り組みについてもう一度詳しく教えてください。
2017年の健保着任前は健保からの発信があまりできていなかったと感じています。被扶養者健診のお知らせも社内報などで見たことがなく、知っている人しか受けられないという状況でした。
まず2017年度は過去健診受診者へ被保険者経由で案内をお送りし、2018年度から40歳以上の被扶養者全てへ個別に郵送するようにしました。また、封筒のデザインや案内の内容も工夫しました。その結果、受診率が約10%上がりました。
2018年度の健診案内
検診内容を充実させたら受診率が上がると信じ、2019年度からはがん検診(子宮頸がん、乳がん:マンモとエコー選択制)も含め自己負担をほぼ無料にしました。2018年度は健保の負担は一人あたり約8,000円でしたが、2019年度は約40,000円になりました。
また、巡回健診を取り入れ、北関東〜九州にいる加入者がどこで受けても同じ内容になるようにしました。
社内イントラなどを活用し周知に力を入れた他、予約締め切り日から一カ月前を目安に未予約者に対して再勧奨を行いました。再勧奨すると受診者が顕著に増えました。締め切り直前に再勧奨すると一気に受診者が増えるため、方法を問わず他の健保様にもおすすめしたいです。
2020年度はコロナ禍で健診事業を進めるべきか様子見する風潮がありましたが、「受診控えで誰も死なせたくない!」という思いがあったため当健保は手を抜かないと決めました。社内イントラなどでがんの早期発見の重要性などのメッセージとあわせて健診を受けるように伝えました。
また、40歳になったからといっていきなり健康意識が高まるわけではないので、早めに健診受診を習慣化してほしいという思いから特定健診の対象者を39歳以上に引き下げました。新たに対象となった人も80%ほど受診してくれました。
2021年度は、兵庫連合会からショッピングモールなどでの健診の提案があり導入しましたが、2名の追加受診がありました。当健保は規模が小さいため、一人でも増加すると受診率が向上します。仕組みがうまく回っているので、40歳未満も含めて受診率はさらに伸びると思います。 予約者ベースの暫定数値ではありますが、2021年度の受診率は52%程度になる見込みです。