保険者インタビュー・導入事例

ICT登録率95%で「三方よしならぬ、四方よし」の
保健事業を

ICT導入事例

インタビューイー様のご紹介

常務理事 三田 昭夫 様(写真後列右)
《健保業務》
業務全般管理

《Pep Up導入に際しての役割》

  • 理事会、組合会で事業主への方針説明、承認応諾
  • 人事担当役員、健康管理委員会での機能説明
  • xメリット・デメリットの説明、承認応諾
  • スケジュールなど具体的な準備作業の促進

課長 秋本 昌芳 様(写真後列左)

《健保業務》
管理業務、保健事業、 データヘルス

《Pep Up導入に際しての役割》

  • 健康管理委員会での登録率アップの要請
  • 登録率目標設定と達成までの追跡指導
  • Pep Upのイベント通知の作成、メール送信
  • 管理画面操作による登録、利用状況の分析
導入の背景 国からも健保業務全般に関してICT活用やデジタル化が推奨され、様々なことがオンライン化される中で、当健保でもICTを活用して保健事業や業務のデジタル化を進めようと舵を切る決断をしました。
導入の決め手 他社のサービスを使うとデータを渡す先が増えてプラスのコストもかかってしまうため、JMDCでの導入を決めました。
導入後の効果 Pep Upを導入したことで、加入者に健保の存在を身近に感じてもらい、信用金庫らしい、”しんきん感“を持ってもらうことができたと感じています。

事例概要

ICTツール「Pep Up」登録率95%で話題となった北海道信用金庫健康保険組合様の事例を参考とし、それを上回る導入後1ヶ月での登録率95%超えを達成した北関東しんきん健康保険組合様。
どのような思いで保健事業に取り組み、Pep Up(JMDCが提供するICTツール)の登録率を向上させたのか、お話を伺いました。

北関東しんきん健康保険組合様について教えてください。

三田様:
北関東3県(群馬県、栃木県、茨城県)にある15の信用金庫と関連組織で構成している総合健保です。
被保険者は4,916人、加入者全体で8,506人、平均年齢は43.1歳です。(令和4年3月末現在)

当健保組合の特徴を2点あげると、スコアリングレポートでは毎年、血糖リスクと運動習慣リスクが「不良」とされ健康課題と認識しています。北関東のような地方は一人一台の車社会なので歩くことが少なく、ウォーキングや体重測定などイベントに注力しないと加入者の意識・行動変容は難しいと感じています。
また、金融機関の職員は営業店勤務者が多いため、勤務中に健保からの情報や通知が紙で回覧されてきてもゆっくり読んでいられないのが実態です。そこで勤務時間以外で見られる健保と被保険者を結ぶ新たなコミュニケーションツールが必要と考えていました。今どきの生活者は皆さんスマホから情報を得ていますよね。そこで機関誌のリニューアルとともに、ICTを活用した情報発信ツールが有効だろうと考えました。

総合健保ですが、事業主との関係はどのように築かれていますか?

三田様:
まず、理事会・組合会を通じて事業所のトップに健保の方針や施策を丁寧に説明し理解していただくよう努めています。その方針を各事業所の代表者(主に人事部)で構成する健康管理委員会を通じて加入者に通知を発出してもらい、保健事業を推進してきたという経緯があります。健康管理委員には、健保と加入者の「懸け橋」を担っていただいています。
総合健保では事業主と人事部、健康管理委員の皆さんの理解・協力がなければ、健保だけでは何もできません。ですから、事業主や健康管理委員会とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことが何より重要だと考えています。

Pep Up導入の理由について教えてください。

秋本様:
ジェネリック医薬品差額通知や健康年齢通知を導入していたので、JMDCとは元々取り引きがありました。

三田様:
私が2019年に健保に着任した翌年にはJMDCからPep Upの情報を得ていました。しかし、従来の保健事業のやり方が良いのかICTを活用するべきか、仮に導入してもスマホで使ってもらえるのか、費用対効果がどうなのか、健保の中でも踏み込めずに悩んでいました。
2021年になると国からも健保業務全般に関してICT活用やデジタル化が推奨され、またコロナ禍で様々なことがオンライン化される中で、当健保でもICTを活用して保健事業や業務のデジタル化を進めようと舵を切る決断をしました。

Pep Up導入の導入の決め手

秋本様:
他社のサービスを使うとデータを渡す先が増えてプラスのコストもかかってしまうため、JMDCでの導入を決めました。

三田様:
導入するとなれば、一気に登録率を80〜90%まで上げないと狙った効果の発揮や経費削減が図れないと思い、JMDCから北海道信金健保の事例を聞くなど情報収集をしました。
以前から、全国の信金信組が集まる協議会やブロック会議などがあったため他の信金健保とも親交があります。先行してPep Upを導入していた北海道信用金庫健保や静岡県信用金庫健保には電話やメールで資料まで送っていただき大変参考になりました。本当に感謝しています。
秋本昌芳様

2021年9月のPep Up利用開始に向けてどのような準備を行いましたか?

三田様:
理事会・組合会では、Pep Upの機能性・利便性に加えて年間百数十万円の経費が削減できることを訴求し、登録率向上に向けて一緒に取り組んでもらうようお願いをしました。
健康管理委員会では、導入の目的やメリット、機能の説明、導入までのスケジュールについてより具体的に説明しました。それまでは紙の通知を人事部に送って各個人に渡してもらったり、ウォーキングラリーの参加申し込みを人事部で受けてまた記録表を集めてもらっていたりしましたが、それらがアプリでできて人事部の手間が大幅に削減できるので本来業務に集中できるメリットも強調しました。

4月にはJMDCの担当者から健康管理委員会でプレゼンしてもらい、6月からポスターを各支店に貼って全職員に周知、8月に配布した機関誌でもPep Upについて詳しく記載しました。
Pep Up導入に関する情報に、定期的に目を触れられる機会を作れたことは良かったと思います。
Pep Up導入・年間スケジュール

Pep Upの登録率はどのように向上させましたか?

三田様:
初回登録通知は事業所の本部を通じて被保険者に配っているのですが、本部から「全員参加」と旗を振ってもらえたので多くの職員が登録に動いてくれたと思います。
ただ、どうしても登録のスタートダッシュにはスピード差があり、100%を目指して動いてくれているところもある一方で、自然体のところは登録率が伸び悩むところもありました。

秋本様:
登録率が低い事業所へは私から事業所別登録率の一覧を提示しています。そうすると、事業所側から「未登録者リストをください」と言ってくれて、自動的に登録が促進されます。ある程度の登録率まできますと最終的な目標登録率は各事業所の方針に任せています。
また、9月にPep Upをリリースして10月にウォーキングラリーを実施したのも効果的だったと思います。紙面で行っていた時の参加率は約50%だったため、Pep Upに登録しないと秋のウォーキングラリーに参加できないというのも登録の後押しになったのではないでしょうか。

三田様:
最初の1年間は登録率が思い通りに上がるかわからなかったので紙での実施と並行せざるを得ないだろうと思い、2022年度から完全にPep Upに移行しようと考えていました。しかし始めてみたら一気に登録率が上がったので、初年度からスマホを持っていない数名を除いて紙での通知を原則廃止することができました。4月に入った新入職員にも研修の段階で周知して、登録率100%を目指しています。

Pep Up導入後の反響はいかがですか?

三田様:
Pep Upを導入したことで、加入者に健保の存在を身近に感じてもらい、信用金庫らしい、”しんきん感“を持ってもらうことができたと感じています。
これまでの紙の通知ではなかなか見てもらえなかったり、健保の存在感が伝わらないことが多かったのですが、いつも使っているスマホに健保からメールが送られると、プライベートの時間でゆっくり記事を読んだり、ウォーキングラリーや体重測定などのイベントに積極的に参加しようと前向きになります。スマホを介して繋がることは、ユーザーのライフスタイルにも合っているのではないでしょうか。
コロナ禍や時代の変化で飲み会など仕事以外のコミュニケーションが減っている中、チーム制により職場のコミュニケーション活性化にも繋がっているという評価を事業主側からもいただきました。今後も高い参加率を維持し、加入者の行動変容や健康リテラシー向上に繋げたいです。

Pep Upをどのように評価していますか?

三田様:
健保と被保険者・事業所の間にPep Upが入って情報のサイクルができ、”三方よし”どころか”四方よし”だと思っています。経営者(役員)・加入者・事業所本部社員(人事部)・健康保険組合の4者それぞれに、健康づくり、生産性向上、コスト削減、スピードアップなどのメリット(価値)がPep Upにはあると思っています。

健保の立場では、紙で実施していた事業をオンライン化したことでローコスト、スピード対応が実現できました。また健保からの情報が加入者へ直接届くことで、行動変容に繋げられたり健保に”しんきん感“を感じてもらえたりすることができたと思います。
加入者にとっては、JMDCから配信される健康記事によって健保が発信する以上の情報を得ることができます。さらに、イベントなどへ参加することでご褒美にポイントがもらえ、楽しみながら健康づくりができます。
事業所本部(人事部)では取次作業の手間を削減することができています。
事業主にとっても、職員の健康づくりが職場活性化、生産性向上、業績アップへと繋がるため、近年注目されている健康経営の礎になっています。

当健保では加入する15信用金庫の全てが健康経営に取り組み、90%近い事業所が優良経営優良法人2022に認定されるなど、健康経営への取組みが浸透しています。健康経営、生活習慣病予防ひいては健康寿命の延伸、QOL向上を実現するツールとしてPep Upを継続して活用してもらいたいと思います。

今後の保健事業の展望やPep Upを使って実施したいことを教えてください。

三田様:
以前は年間医療費ゼロの加入者を表彰していました。ただ、本当に健康ならば結構な話ですが、病気になっても受診せず我慢したり通院治療を避けていて重症化してしまっては本末転倒でしょう。また扶養家族がいらっしゃれば保険証を使う確率は高いです。きちんと内容を見て表彰しないと不公平なのではないかと考え、この表彰制度は一旦中止しインセンティブをPep Upに移行しました。Pep Upでは、ウォーキングラリーや体重測定チャレンジに参加した人へ老若男女平等にインセンティブを付与できます。真に健康で医療費がかからない人に対しても、健康づくりに前向きに取り組む人に対してポイントの形で保険料をキャッシュバック的に還元できる方が正しいあり方ではないかと考えたからです。
また、新たなイベントとして、40歳未満の健診結果も事業所から提供していただき全世代に健康年齢を通知できるようになれば、健康年齢の改善チャレンジを実施したいと考えています。常にユーザーの声を聴くことは大切です。Pep Upのアンケート機能でユーザーの意見・要望を吸い上げて、企画に活かしていきたいと思いますのでJMDCにもユーザーや健保組合に寄り添った一層のご協力をお願いしたいです。

秋本様:
Pep Upひとつあれば健康管理がすべてできるツールとして活用していきたいです。今後の新しい機能に期待しています。
三田昭夫様

ICTツールの登録率向上に悩まれている他健保様へメッセージをお願いします。

三田様:
単一健保と異なり、総合健保の場合どうしても事業所ごとのPepUp導入への温度差がネックになるだろうと思います。多くの加入者に登録してもらうためには、Pep Upの具体的な価値を説明して認めてもらうことがポイントです。ただ、それだけでは人は動いてくれない。そこで、組合会や健康管理委員会で、経営者(役員)・加入者・事業所本部社員(人事部)・健康保険組合の4者それぞれのメリットを丁寧に説明することで、自分にとってメリットがあると認識して初めて人は自分事として動いてくれるのだと思います。Pep Upの価値やメリットに共感してもらえるとPep Upを導入して定着させていこうという一体感が生まれ高い登録率に繋がったのではないでしょうか。
特に導入準備段階では、誰が、いつまでに、何を、どのように、取り組んでいただくか、具体的な計画を作成して依頼することです。健保主導でスケジュール表を作成し、ポスター、PRツール、チラシも健保で作って差し上げて使ってもらう。実際の成功事例を通じて「やればできる感」を共有し、事業所への一方的なお願いではなく、一緒にやっていきましょうという信頼感と協力関係を構築することが大切です。
最初から高い登録率を目指すのであれば、目標登録率(ゴール)を明確に示して周知徹底することも必要です。できるだけ、開始1か月目は〇〇%、2か月目は〇〇%、3か月目は〇〇%・・・最終ゴール〇〇%という設定の仕方が良いでしょう。
目標登録率については、各事業所側に責任をもって達成してもらえるようコミットしてもらうことが大切です。このように、Pep Upを導入して根付かせようという共通目標を組織全体に醸成しつつ、登録推進について健保が事業所に寄り添って進められると良いと思います。
登録開始日以降については、定期的に進捗状況を一覧表やグラフにして通知して示してあげれば、競争意識をもって取り組んでいただけるので登録率は伸びていきます。
ただ、どうしても事業所によって温度差があるので、登録率が低いところには健保から担当役員や責任者に個別にお願いすることも必要になります。

これからICT導入を検討している健保にメッセージがあればお願いします。

三田様:
ICT導入にあたって、しっかりメリットを説明し事前準備(根回し)をすれば絶対に登録率は上がりますし、登録率が上がれば多くの通知や保健事業がワンストップでできるのでこんなに良いものはないとお伝えしたいです。
多くの人がスマホを使っている時代ですので、自分のスマホに健保からメールや情報が入ってくることで健保と加入者とがダイレクトに繋がり、健保の存在感も高まります。そしてインフラとしての基盤が整えば、健保からのメッセージや新しい情報を発信する通信媒体としてウィズコロナの時代においても大いに役立つと思います。

最後になりますが、Pep Upは登録率が高いだけではダメです。そこから先、イベント参加や通知の認知度を高めて、高い活用率を維持できるかどうか。Pep Upを大いに使い倒してもらうことが当健保の次なる課題だと思っています。どうしても人は飽きやすいものなので地道に粘り強く利用を促していくつもりですが、JMDCにも魅力的な企画開発や新たな健康イベント、有益な健康コンテンツの掲載を期待したいです。

本件に関して健保の皆さんからお問い合わせがあれば、オープンにお答えしますので遠慮なくご連絡ください。何かお役に立てることがあれば幸いです。

北関東しんきん健康保険組合 担当 三田・秋本

Tel: 0274-50-8755 Email: kkskk.01@dream.com


取材日:2022年5月12日


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