「未受診パターン分析」を用いた 健診勧奨改善のヒント

▼ 下記のような課題感をお持ちの健保様にオススメの記事です。

・ 根強い未受診層が存在し、受診率が頭打ちになってきたと感じている。

・ 健診勧奨の効果検証をしようとしても「何故Aさんは受診してくれて、Bさんは受診してくれないのか?」など、
  行動理由の特定が難しいため、改善に向けた議論が難しいという課題を感じている。

・ 健診勧奨により力を入れていくため、新しい取り組みを探している。


今回ご紹介するのは、「未受診パターンの分析による属性分け」です。

メリット1:属性ごとに分けて検証ができるため、改善に向けた議論へつなげやすくなる。

メリット2:未受診者の「なぜ行かないのか」をデータから類推できるため、より“効くメッセージ”で勧奨することができる。

目次[非表示]

  1. 1.分析方法
  2. 2.最後に


分析方法

過去2年継続して在籍している方を対象とし、

「2年前の健診受診状況」

「2年前の健診における所見の有無」

「通院履歴」

をもとに、下記分類方法で未受診の背景を類推します。

(図1:未受診パターン分け手順例)

実際にJMDCのデータ(2017年時点)で分析を行ったところ、
被扶養者の昨年度健診を受けなかった人のうち8割近くがパターン⑤と⑥でした。
つまり、被扶養者の健診未受診者のうち、8割近くが「根強い未受診者」という結果になりました。


(図2:未受診パターン別の分布)

このようにパターン分析を行うことで分布の見える化ができるため、
どの層から対策をしていけば効率が良いのか、という目星をつける事が容易になります。

さらに下記表3のように、未受診パターンから「未受診者の心理」を類推することで、
「何を理解してもらえれば、受診してくれるのか?」という点まで落とし込んで検討できるため、
根強い未受診者へ“効くメッセージ”を訴求していくことが可能となります。

(表3:健診未受診パターンと、考えられる未受診心理)

未受診背景から類推した「理解してもらうことで、健診を受ける可能性が高まる事実」が下記です。

(表4:未受診者の心理と、受診の可能性を高める訴求メッセージ)

実際にこの分析を用いて未受診パターンごとに合った訴求メッセージを設定することで、
「根強い未受診層」でさえも診率が向上した事例もあります。

最後に

いかがだったでしょうか。

今回の分析はあくまで一例ですが、健診未受診パターン分けを行うことで、
パターン毎の戦略を検討することが可能になるため、是非一度お試しください!

本記事のご感想や今後希望するテーマなどぜひご意見をお寄せください