【共同事業成果報告】女性喫煙者対策のための禁煙推進サポーター・リーダー育成事業
JMDCは、令和3年度高齢者医療運営円滑化等補助金における「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業(保健事業の共同化支援に関する補助事業)」において、事務局として事業運営支援を行いました。
今回の特集後編では、JMDCが事務局を担った「女性喫煙者対策のための禁煙推進サポーター・リーダー育成事業」の内容を紹介します。
事業の背景・目的
女性の喫煙率は長年ゆるやかにしか減少していないにも関わらず、既存の事業は喫煙率の高い男性を中心に実施されており、女性の喫煙による健康リスクの重大性や女性喫煙者の特徴を十分に理解した上での女性喫煙者対策が実施されていません。
この課題を解決するために、本コンソーシアムでは健康保険組合や事業主が集まってノウハウ共有を行い、さらに専門家の講演やディスカッションを通して女性喫煙者の禁煙を推進するサポーターおよびリーダーを育成することを目的としています。
また、禁煙を推進するサポーターおよびリーダーが継続的に禁煙事業を推進することで、女性の喫煙者を減少させ、最終的には女性の健康課題を解決していくことをめざしています。
事業の内容
本事業には、野村證券健康保険組合様、東京ドーム健康保険組合様、日本マクドナルド健康保険組合様、ポーラ・オルビスグループ健康保険組合様、三菱電機健康保険組合様、ワコール健康保険組合様の6健保が参加されました。
取り組みとして、ミーティングおよび講演・ディスカッションの会をオンラインで計8回開催しました。
各ミーティングでは、禁煙事業のノウハウ共有や、タバコの専門家から学びを得て、効果的な実施策についてグループディスカッションを行いました。
最終的に、以上のミーティング・ディスカッションを踏まえ、女性喫煙者の禁煙啓発のチラシと動画を制作しました。
これらの制作物の今後の活用方法としては、参加健保様から以下のような意見が聞かれました。
・Pep Up(JMDCが提供するICTツール)や健保ホームページ、社内イントラネットで配信
・チラシを健診の案内に同封。隠れ喫煙者などの可能性もあるので全員に配布
・オンライン禁煙外来のお知らせと共に掲載
・「世界禁煙デー」の際に周知する予定
参加健保様の感想
・課題を整理し、1つ1つ丁寧に取り組めた点について感謝している。
・関わることのなかった方たちと関わることができ、同じ課題を検討し成果を一つにまとめられたことが良かった。
・女性喫煙対策に意識の高い健保・事業所が多く、今後相談する仲間ができたのは財産。
・事業所・人事向けの発信が足りなかったため、こういう機会に事業所等のスタッフを巻き込めればよかった。
・女性喫煙者という視点での専門の先生の講演やナッジについて得る知識が多かった。
・定期的にコンソーシアムがあったことで、喫煙対策についてよく考えるきっかけになった。
・チラシ・ビデオ制作は自健保で考えると泥臭くなってしまうが、全く違う角度から制作することができて新鮮であった。
・健保側の意見を聞く機会となり、一緒に考える貴重な時間だった。今後も健保・企業と両輪で事業を続けたい。(事業主担当者からのコメント)
幹事健保様のコメント(野村證券健康保険組合 播磨様)
喫煙対策はコラボヘルスの典型的な事業のひとつであり、健保と事業所が一緒になって考えるというのがこの取り組みの大きなポイントです。今回は女性特有の課題にスポット当てて喫煙対策を検討し、皆で知恵を出し合って資材を作り、各健保・事業所で喫煙対策に取り組んでいくことが、本事業のアウトカムの一つでした。
女性の喫煙という、男性のそれに比べると目立たないが踏み込まなければならない課題について、毎回のミーティングで議論できたことが良かったです。また、いろいろな取り組みを実施されている健保・事業所が多く大変参考になりましたし、参加した方々にも新たな発見があったのであれば良かったと思います。
本事業の成果を各健保・事業所へ持ち帰って、取り組んだ内容について、今後また共有する機会があればと思います。
おわりに
本事業では、半年以上に渡る取り組みの成果がチラシ・動画という啓発資材として実を結びました。複数の健保間での情報交換がお互いの刺激となっただけでなく、見落とされがちな女性の喫煙という課題に取り組んだことは社会へも大きな影響をもたらすのではないでしょうか。
しかし、資材の制作ではなく、できた資材を起点に保健事業を推進していくことがこの事業のゴールです。この取り組みが健保と事業主の連携を促進し、加入者ひとりひとりの健康増進に寄与することを期待しています。
次回の特集では、本事業で事務局を務めたJMDC社員のインタビューをお届けします。
こちらもぜひご覧ください!