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【JMDC社員インタビュー】健保での経験を次は皆さまのために

前回の記事では、JMDCが事務局を務めた共同事業「女性喫煙者対策のための禁煙推進サポーター・リーダー育成事業」についてご紹介しました。
今回は、本事業で事務局として中心的な役割を担ったJMDC社員のインタビューをお届けします。

保健師として健康保険組合に勤めた後、取引先であったJMDCに入社という異色のキャリア。
今までの経歴がどのように現在の業務に活きているのか、話を聞きました。

— プロフィール

浦元 広美
株式会社JMDC 学術企画部 新規企画アライアンスグループ所属。
病院看護師、行政保健師、9年間の健康保険組合での保健師業務を経て、2020年JMDCに入社。

       

— 健康保険組合に勤めるまでの経緯を教えてください。

小さい頃に祖母が乳がんで入院していたことがきっかけとなり、看護師になりました。病院看護師として精神科や急性期の混合病棟を経験しましたが、40代の方が脳梗塞で麻痺が残るのを見たり糖尿病の教育入院を担当したりする中で、病院でできることは限られていると感じ、職域で一次・二次予防をやりたいと思いました。また、大学在学中に父が脳梗塞になったことも大きな理由となりました。
しかし、産業保健師になりたいと思っても当時は今以上に狭き門で、未経験では雇ってくれないところも多かったため、まず行政保健師として経験を積むことにしました。行政保健師の仕事はやりがいがありましたが、母子保健や高齢者対策など業務の範囲がとても広くて大変でしたし、働いている人の健康増進に取り組みたいという気持ちがやはりありました。
そんな中、たまたま行政保健師の経験でも受け入れてくれたのが前職の健康保険組合でした。

     

— 健保在籍時にはどのような業務を行っていましたか?

主には第1期、2期のデータヘルス計画の立案・評価と、データ分析で明らかになった課題に応じた事業の見直しや検討です。事業主とのコラボヘルス事業(特定健診、特定保健指導、重症化予防、健康教育)の推進にも注力していました。また健保内での業務効率化のために、補助金事業の規定や契約等の見直しも行っていました。

第2期データヘルス計画立案時に、断続的に実施していたデータ分析を見直したいと思い情報収集をしていたところ、JMDCに出会いました。3社で比較して、希望の分析ができることやフォロー体制が充実しているところに惹かれて導入となりました。
それ以前から分析業務は委託していましたが、費用をかけてもレポートの量が多くなるだけで事業に活かせていませんでした。JMDCに作成してもらったデータヘルス計画の分析レポートや事業所別レポートは、健康マップなどを用いてわかりやすく示されていましたし、課題が明確になり事業所の産業保健スタッフとの連携を深めることもできました。
また、対象者抽出が難しかった生活習慣病の治療中断者への勧奨もJMDCに委託して行うことができるようになりましたし、事業所ごとに基準値を変えて医療機関受診勧奨通知を出すことにも対応してもらいました。

JMDCのデータヘルス計画の分析結果により、今までぼんやりしていた課題が明確になり、さらには評価もはるかにラクになって、「データ分析ってなんて面白いんだ!」と気づかせてくれました。
もっと、多角的な視点でデータ分析をしたいと思ったことと、糖尿病の未受診や受診中のアンコントロールにより40代の透析開始のケースがでてきたときに何とかしなくてはと思い、東京糖尿病療養指導士の資格をとり公衆衛生の大学院に進学し、それと同時にJMDCに入社しました。

— 現在はどのような業務を担当していますか?

厚労省の共同化支援に関する補助事業「女性喫煙者対策コンソーシアム」の事務局運営、厚労省の大規模実証事業の介入研究に関する支援、コラボヘルスサポートプログラムでのコンサルタント業務、喫煙ソリューションサービスの企画、その他、弊社で作成した製品への保健師としてのコメント作成などを担当しています。

     

— 共同事業の事務局として果たした役割、感じたことについて教えてください。

主幹事の野村證券健保様や専門家講演を依頼する専門家に相談し、講演内容やディスカッションの議題、ディスカッショングループなどを決定したり、コロナ禍ですべてweb会議となったこともあり、講演への質問や講演に関連する取り組みなどを事前にメールでヒアリングして、コンソーシアム内で共有したりなどを行いました。
また、資材の作成においては、ブレインストーミングで出た意見を集約してチラシや動画の構成案を作成し、社内のデザイナーや制作会社に相談して具体的に落とし込み、コンソーシアムでまた意見聴取して完成させていくという作業の管理を行いました。

私が健保に在籍していた時には、共同事業のお誘いをいただき興味はあっても通常業務との兼ね合いから参加は諦めていました。今回の取り組みでは、できるだけ参加者の負担を軽減しつつ、参加すると必ず役に立つことをご提供する、という思いでやってきたので、皆さまから「参加して良かった」という感想をいただき嬉しかったです。
また、私が健保在籍時に参加できていれば、特に他健保事例・他社事例というのはとても参考になるものだと思いました。

     

— 健保と事業会社どちらも在籍した上で、今健保で務めたらどんな視点を持つと思いますか?

健保の業務は幅広く一つのことに対して深く取り組むのが難しいので、委託業者を上手く使って健保にしかできないことに注力するのが重要だと思います。
データ分析をJMDCに依頼すれば各事業所の課題までは把握出来ると思うので、そこから健保で把握している各事業所の産業保健体制、職種、勤務体制、健康経営の推進状況などをもとに各事業所の体制に合わせて一緒にできることを見つけていくということが良いと感じています。
私自身は健保在籍時にそれを一部の事業所に対してしかできていなかったので、効果を出すことを急がずに全事業所との接点を頻繁に持つべきだったなと考えています。
先日のコンソーシアムのミーティングで、ある健保様が、事業所によって体制が異なるので、事業所別の喫煙対策のロードマップを作成したというお話を聞いて大変参考になりました。

     

— 健保は事業会社とどう向き合うべきだと考えますか?

JMDCにいて思うことは、事業を推進する上で困ったことがあればまずは相談をしてほしいということです。
健保単独でやっていると見えにくくなることも多いのではないかと思います。事業会社は他健保の事例も知っているので、話してみるとやるべきことなどが整理されると思います。
保健事業を共に進めるパートナーとして気軽に聞いていただき、自前でできることはやり、できないことは委託、というのが効率が良いと思います。

— 今後JMDCで行っていきたいことを教えてください。

コラボヘルスの推進、JMDCのサービスの更なる活用の推進、また、健保様・企業様の要望に応じた参加型従業員向け健康セミナーの企画にも取り組みたいです。

また令和4年度の共同事業についても、もしご検討されている健保様がいらっしゃいましたら、私自身の健保経験も踏まえてもご支援させていただければと思っています。お気軽にご連絡ください!


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