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ここに注目!データヘルス計画2022年度(令和4年度)の変更点

2022年1月28日にデータヘルス・ポータルサイトで公開されたオンライン説明会「データヘルスの推進」、また3月7日に健保連にて開催された「第 3 期データヘルス計画に向けた展望と厚生労働省公募事業の概要」において、2022年度(令和4年度)からのデータヘルス計画およびデータヘルス・ポータルサイトの変更点について案内がありました。

今回はこの内容を分かりやすく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.共通の評価指標の設定
  2. 2.2022年度(令和4年度)の共通評価指標
  3. 3.共同事業検索機能のリリース
  4. 4.スコアリングレポート事業所版のリリース
  5. 5.自治体の保健サービス等の情報の登録・配信・閲覧機能
  6. 6.外部委託事業社の情報の登録・閲覧機能
  7. 7.おわりに


共通の評価指標の設定

まずは2021年度(令和3年度)のデータヘルス計画の変更点についておさらいします。
入力任意項目として2021年度から新規で制定された項目です。

内臓脂肪症候群該当者割合

特定健康診査実施率

特定保健指導対象者割合

特定保健指導実施率

特定保健指導による特定保健指導対象者の減少率

以前の課題として、保健事業ごとのアウトカム、アウトプットが保険者ごとに異なっており、各事業の目的が何で、かつどのような取り組みが効果を上げるのかが見えづらいことがありました。

この課題に対応して、保険者として目指すゴールであるアウトカム指標およびアウトプット指標が5つ整備されました。この指標を用いることで、優れた結果を出している保険者の取り組みをピックアップし、効果的・効率的なデータヘルスを普及することを目的としています。


2022年度(令和4年度)の共通評価指標

指標の分類を5種類(生活習慣病対策(早期・重症化予防)、がん、歯科、上手な医療の掛かり方)に設定し、それぞれにアウトカム、アウトプットが定められます。
それぞれの指標については表の通りです。


(出典:「データヘルスの推進」5.データヘルス計画の共通評価指標の今後の方向性)


データ入力は全て2022年6月にデータヘルスポータルサイト上で行う予定です。各項目において難度は異なるものの、理論上は全てNDBからデータ抽出が可能なものであるため、プリセット入力されるよう調整を行っているとのことです。プリセットにならない場合は共通評価指標の入力は任意になるとのことですが、共通指標を入力することで厚労省としても好事例の発信をしていきたく、任意とはいえ可能であれば入力をしてほしいとのことです。

なお、個々の保健事業については健保独自の目標設定を行うまま変更はないとのことです。


共同事業検索機能のリリース

続いて、データヘルスポータルサイトのアップデートされた機能について、特に役立つであろう内容について紹介します。

いわゆるコンソーシアム事業について、実施済みまたは実施中のものをポータルサイト内で検索できるようになりました。参加を希望する共同事業があった場合に参加打診を行うことも可能となります。

当事業については、幹事健保の負担や事業主との関係から事業のカスタマイズが必要などの事情もあり、2021年度(令和3年度)以前は広く普及をしておりませんでしたが、2022年度(令和4年度)についてはその課題に対応した公募要領として、3月18日に公開されました。詳細は下記をご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/dh-kenpo_hojokin2022_24576.html

     

スコアリングレポート事業所版のリリース

2022年3月24日にポータルサイト上でリリースされました。こちらの特徴は別記事でまとめておりますので、そちらも是非ご覧ください。
なお、今回より事業所別のレポートも出力されることとなりましたが、2021年11月30日までに事業主マスタを提出していない場合は作成対象外になるとのことです。

    

自治体の保健サービス等の情報の登録・配信・閲覧機能


自治体の保健事業の情報を検索できる機能が2022年1月に実装されました。
こちらを活用することで、各自治体の健診(がん検診含む)の窓口を確認することが出来ます。把握した窓口を健診のご案内などで周知することで、保険者インセンティブ「大項目5 ③市町村が実施するがん検診の受診勧奨」2点の加点が取れることとなります。
なお、2022年4月11日時点では一部の自治体のみの情報掲載に留まっております。


外部委託事業社の情報の登録・閲覧機能

 複数の健康保険組合もしくは健保連からの推薦を受けた事業者を検索できる機能が実装される予定とのことです。(2022年4月11日時点では未実装)
保健事業の計画策定時に、多くの健保から委託されている事業者を選定することが可能となります。
なお、現時点でJMDCは掲載されておりませんので、弊社サービスをご用命の際は、是非当サイトのお問い合わせフォームからご連絡ください。

   

おわりに

データヘルス計画の今後のスケジュールは以下の通りです。

出典:「データヘルスの推進」5.データヘルス計画の共通評価指標の今後の方向性

(出典:「データヘルスの推進」5.データヘルス計画の共通評価指標の今後の方向性)

第3期データヘルス計画は令和6年度からとなりますので、令和5年度に第3期データヘルス計画の策定となります。

今年度(令和4年度)については、令和6年度からの第3期に向けた助走期間と位置づけているとのことですので、令和5年度の第3期データヘルス計画策定に向けて第2期の振り返りを行っていきたい健保様は、是非JMDCまでご相談ください。


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