第3期データヘルス計画の実務的アプローチ|開催レポート
2023年8月24日に、東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井祐司特任教授を講師に招きし「第3期データヘルス計画の実務的アプローチ」セミナーを開催いたしました。
当日、会場には約100名、オンラインでは約200名の方にご参加いただきました。
本記事では登壇内容の概略をご報告いたします。
第1部:第3期データヘルス計画の実務的アプローチ
東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井祐司特任教授より、第3期データヘルス計画の実務的アプローチをお話しいただきました。
データヘルス計画の標準化を視野に入れた具体的なデータヘルス計画の保健事業の在り方、アウトカム、アウトプットを設定するにあたって押さえておくべきポイントなど具体的に注意すべき点について解説いただきました。
第3期データヘルス計画へのアプローチとしては、健康保険組合はマネジメント力を生かして事業主や民間事業者と協創していくこと、保健事業の効果分析を行った被保険者の健康課題の解決を重視することが必要であるということです。
詳細はこちらの記事をご参照ください。
第2部:トークセッション
第2部は、ご参加の皆様に予め募集していた第3期データヘルス計画への疑問点について、引き続き古井氏と当社データヘルス研究所 所長の工藤大によるトークセッションを実施しました。
事前に募集した質問内容や、会場、オンラインからの質問内容にもリアルタイムでご回答いただきました。本記事ではいただいた質問をいくつかピックアップしてご紹介いたします。
Q. データヘルス計画作成の手引きを見る限り、計画策定において第2期から大きな変更点はない認識でおりますが、実務レベルで大きな変更点や意識しておいた方がいいことはありますか?
A. アウトプット指標とアウトカム指標を分けて考えると良いと思います。例えば「保健事業の実施率」を評価指標として考える場合、アウトプット指標である実施率だけでなく「保健事業を通じて何を目指すか」を評価するアウトカム指標も注意深く確認していってください。
Q. プロセス、ストラクチャー指標がどのように利活用されているのかのイメージが湧かず、入力の意義が今一つ見いだせておりません。
A. 「事業主や委託先との連携の際、どのような時に効果が上がるのか」を知りたいと思うのですが、今の選択肢だけではそれがわかりにくい点もあるかもしれないと思っています。是非皆さまから「こういう項目が欲しい」などプロセス、ストラクチャー指標の工夫についての要望を明文化していただけると有難いです。今秋、健保連様からもプロセス、ストラクチャー指標の明文化について周知があると思いますのでそちらもご確認ください。
Q. データヘルス計画策定や保健事業を民間事業者に委託するにあたり、選定方法や評価の仕方を伺いたいです。
A. 民間事業者様にはこれまでのノウハウの蓄積がありますので、色々質問してご判断いただくと良いと思います。例えば現在の課題をお伝えして、今後どのような事業を行うと良いかなどです。民間事業者様も二極化しており、効率的に進めていく事業者様や一つ一つ解決していきましょうという姿勢の事業者様がありますので、そういった部分も見ながら選定いただければと思います。
本セミナーのオンデマンド視聴は>>こちら
第3部:「第3期データヘルス計画策定支援サービス」のご紹介
当社データヘルス研究所の浦元より、第3期データヘルス計画策定支援サービスについてご紹介させていただきました。
本サービスは、データヘルス計画作成の下記STEP1からSTEP3まで全てに対応した成果物をご提供し、データヘルス計画策定をご支援いたします。
STEP1:現状を構造的に把握するための分析を行う
STEP2:健康課題の優先順位付け
STEP3:保険事業を選定、目標・評価指標の設定
成果物としては、分析レポート(標準分析・事業評価)、データヘルス対応表(健康課題の抽出)、データヘルス対応表(保健事業の実施計画)、保健事業推進レポート(上申用レポート)の4種類をご用意しております。
本サービスは定型のパッケージ製品となりますが、成果物のみの納品など定形外のサポートも可能です。本サービスにご興味がお有りの方は個別ページもご確認ください。
さいごに
今回は、東京大学データヘルス研究ユニット特任教授 兼 自治医科大学客員教授の古井祐司様にご登壇いただき、第3期データヘルス計画の実務的アプローチについてご紹介いただきました。
セミナー開催後には軽食を用意し、ご参加者様との情報交換会を開催いたしました。
ご参加者様からは、
今回のセミナーを通じて、何をするべきか検討課題を見つけることができ、アウトカム・アウトプットの考え方がより明確になった
参加人数がちょうどよく、古井先生との距離感が近くお話を伺えてよかったです。また開催時間もちょうどよく、飽きることなく聴講できました。
堅苦しくない講演、トークだったため聞き易かった。
公的な説明会とは違い、生々しい意見も聞くことができた。
書面では伝わらない背景等のお話を伺うことが出来、非常に有益な会だったと考えております。講師からの説明内容や受講者からの質問の内容から察するに、当健保でも同様の悩みでもあり、安心した。
第3期の狙いが何となく理解できた。また質問への古井先生の回答でさらに理解できたように感じる。
などのお声が多く寄せられ、大変好評をいただくことができました。
JMDCでは、今後も保険者様の課題解決に繋がるよう、価値あるイベントの提供に努力を重ねてまいります。
最後になりますが、今回ご登壇いただいた東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井祐司様には心から感謝申し上げます。
ご協力いただき、誠にありがとうございました。