
【Pep Upリサーチ】「健康診断におけるオプション選択(胃カメラ・バリウム検査)に関する実態調査
※本コンテンツは、PHRサービス「Pep Up」に掲載された記事の転載です。
「Pep Upリサーチ」では、健康に関するさまざまなアンケートを実施し、
普段は話題にしづらいテーマや、実は多くの人が同じ悩みを抱えているテーマについて、Pep Upユーザーのリアルな声をもとにコラムをシリーズでお届けしています。
今回は「健康診断におけるオプション選択(胃カメラ・バリウム検査)に関する実態調査」をご紹介します。
【アンケート概要】
| 調査方法 | インターネットアンケート |
| 調査対象 | Pep Upユーザー |
| 調査実施日 | 2020年10月6日 |
| 有効回答数 | 1,555人 |
胃カメラか、バリウムか…悩むことはありませんか?
胃内視鏡検査(胃カメラ)および上部消化管造影検査(胃バリウム検査)は胃がんの早期発見を目的として広く行われていますが、いざ健診を受けるとなると、受ける必要があるのか、どちらを選べばいいのか悩んだことがある人も少なくないのではないでしょうか。
今回のアンケートではそうした健診のオプションとして行われる胃カメラ、胃バリウム検査について、受診率や選択基準について調査を行いました。
40代以上の8割が胃カメラ・バリウム検査の経験あり

まず最初に直近3年間の健診受診状況を伺ったところ、8割以上の人が毎年健診を受けていると回答しました。健康診断は毎年受けることが推奨されていますが、Pep Upユーザーの多くの方がきちんと受けていることが分かりました。
さらに過去3年間で1回以上健診を受けている人に、胃カメラ・バリウム検査を受けたかどうか尋ねたところ、40代以上の8割近くの人がオプションとして検査を受けていました。
その内訳は、バリウム検査を受けた人の割合が、胃カメラを受けた人のおよそ2倍となりました。
20代、30代においては、胃カメラ・バリウム検査を受けたと答えた人が極端に減りましたが、おそらく助成の範囲や上限が年齢によって異なることが影響していると考えられます。
バリウム検査は受動的な理由で選ばれる傾向に

直近の健診で胃カメラ・バリウム検査を選んだ理由を伺ったところ、胃カメラを選んだ理由の1位が「病気の早期発見に胃カメラの方が良いと聞いたから(57%)」、バリウム検査を選んだ理由の1位が「健診プランに組み込まれていたから(72%)」となりました。
これにより、バリウム検査が胃カメラと比較して受動的な理由で選ばれる傾向にあることが分かりました。
バリウム検査は、飲んだバリウムが胃の中に広がる様子をレントゲン撮影し、胃の形や表面の凹凸を評価する検査です。
しかし、バリウム検査で異常が見つかった時には、精査として胃カメラを行うことが多いため、最初から胃カメラを選択する人が一定数いるのだと推察されます。
次回の検査では胃カメラを希望する人が多い

直近の3年間の健診では胃カメラよりバリウム検査を受けた人が多い傾向にありましたが、次回の健診で希望するオプション検査としては胃カメラを希望する人が多いことがわかりました。
胃カメラとバリウムのどちらも受けた経験がある人に絞って見ると、7割以上の人が胃カメラを希望している結果になりました。
調査前は、胃カメラは辛そうだから...と避ける人が多いと推測していましたが、意外にも実際に胃カメラを受けたことがある人の大半が、また胃カメラを受けようという意識を持っていることがうかがえました。
また、実際に検診で選んだ検査とは逆転した結果となっているため、健診のプランや補助の仕組み、予約の取りやすさなどの理由から、胃カメラを選択することが難しいケースも一定数存在するのかもしれません。
胃カメラとバリウム検査ともに一長一短あり
今回は健康診断における胃カメラ・バリウム検査の実施状況について伺いました。
調査対象が、健康管理ツールであるPep Upを利用しているユーザーということもあり、胃カメラ・バリウム検査を受けている人の割合は一般的な調査結果よりも多い印象を受けました。
胃カメラ検査では胃の中を内視鏡で直接観察できるため、胃がんの早期発見や食道がんの観察などに有効と言われています。
一方で、胃バリウム検査では胃全体の動きや形状を観察することができます。
そのため、“スキルス胃がん”と呼ばれる、胃カメラでは見つけにくいタイプのがんに関しては、胃内視鏡検査よりもバリウム検査の方が早期発見に繋がる場合があると言われています。
各検査において観察できるものが違うため、それぞれにメリット・デメリットはありますが、胃カメラとバリウム検査のどちらも胃がんの死亡率を下げると報告している研究もあります。
胃がんも、他のがんと同じく痛みや胸やけといった自覚症状が初期には無いことが多いため、発見が遅れるケースも多くあります。
胃カメラもバリウム検査も、事前に絶食しなければいけなかったり、検査中に不快感があったりと負担を伴いますが、胃がんは早期発見することで治療の選択肢が増えるので、健診で選択できる時には検査を検討されると良いでしょう。
しかし、どちらの検査もお薬のアレルギーや持病によっては受けることが出来ない場合があります。検査の実施については健診施設からの案内をよく読み、持病でかかりつけ医がいる場合にはかかりつけの先生とも相談すると良いでしょう。




