保険者インタビュー・導入事例

キーワードは「楽しさ、とっつきやすさ」
ユニークなアイディアで
「Pep Up」の認知拡大と活用を促す

インタビュイー様のご紹介

静岡県農業団体健康保険組合
常務理事 篠﨑 隆様

業務部
保健事業課
課長 塩幡 由紀子 様

保健指導担当課長 
井上 朋子 様

安田 大晃 様

事例概要

健康ポータルサイト「Pep Up」を活用し、加入者一人ひとりに合わせた情報発信や、ウォーキングラリーをはじめとしたイベントの実施に取り組む静岡県農業団体健康保険組合様。
同組合では「Pep Up」の登録率向上にも力を入れており、「4コマ漫画」というユニークな方法も取り入れながら認知拡大を図っています。
今回は、そんな同社の「Pep Up」利用および普及の方法や、今後の活用の展望についてお話を伺いました。

プロフィール

静岡県農業団体健康保険組合
被保険者

12,234人(男性6,655人、女性5,579人)

※令和7年2月末現在

被扶養者 7,584人(男性2,940人、女性4,644人)

従業員の特徴: 平均年齢は44歳とやや高め。主な健康課題としては、高血糖や肥満、運動習慣の欠如が挙げられ、また喫煙率も全国平均を上回っている。

加入者の健康をより的確に支援すべく「Pep Up」を導入

安田様:
「Pep Up」導入以前、当組合では大きく2つの課題を抱えていました。

1つは、生活習慣改善のための取り組みの効果が見えづらかったこと。加入者に対して、食事や運動に関する啓蒙イベントなどを積極的に行っていたものの、実際どれくらいの影響を与えられているかが明確にはわからない状態でした。
2つめは、情報提供の方法が画一的であったことです。以前は事業所を通じて情報を届ける仕組みしかもっておらず、個別対応を十分に行えずにいました。

上記の課題を解決すべく、「Pep Up」を導入。加入者が自身のスマートフォンやタブレットPCを通じて、「個別性の高い情報の取得」「体重などの計測機能の活用」「健康イベントへの参加、およびそれ付随するインセンティブの獲得」ができるようにしたのです。こうした体制を整えることで、加入者の生活習慣改善をより一層促すことを目指しました。


井上様:
数あるPHRサービスの中から「Pep Up」を選んだのは、比較検討の結果、わかりやすさや生活習慣改善につながるイベントの充実度が秀でていると感じたからです。
特に、事業所やグループ単位で参加できるウォーキングイベントがある点は、最終的な決め手になりました。

毎年恒例ウォーキングラリーの効果を「Pep Up」で分析できるように

安田様:
「Pep Up」の導入効果はさまざまに感じていますが、代表的な例としては、先ほど井上が触れたウォーキングイベントが挙げられるでしょうか。
当組合では、加入者に「楽しみながら健康づくりに取り組んでもらうこと」を大切にしており、その一助となるイベントを毎月実施しています。「Pep Up」を活用したウォーキングラリーもそのひとつで、「(現状より)プラス1000歩」をテーマに掲げて実施しています。

井上様:
ウォーキングラリー自体は「Pep Up」を導入する前から行っていますが、これまでは参加者が「1000歩多く歩けた日」に記録用紙のチェック欄を塗りつぶし、また歩数を記入のうえ健保に提出するというアナログな運用でした。そして私たちは提出された記録を集計し、達成者にインセンティブをお渡しする流れです。

「Pep Up」導入後はすべての記録をデジタルで管理できるようになり、効果の分析も格段にしやすくなりました。また、インセンティブ(ポイント)付与を担当する職員との連携もスムーズになりましたね。

安田様:
効果分析の一例を挙げると、当組合で重要な課題のひとつに位置づけている「被保険者の運動習慣」へのウォーキングラリーの影響を調査しました。具体的には、健康診断時にヒアリングする「普段から運動をしていますか?」という質問への回答について、ウォーキングラリーの参加者と非参加者を比較。
すると、「運動している」と回答した人数は、参加者のほうが約10%も多いことが明らかになったんです。この結果は、ウォーキングラリーへの参加をきっかけに行動変容が起きた可能性を示唆しています。

ウォーキングラリーの参加者を増やし、健康増進と社内活性化を図りたい

安田様:

一方で、「Pep Up」を活用したウォーキングラリーは最初からすべてうまくいったわけではありません。導入当初は、約12,000人の被保険者のうちエントリー数は約500人、その中で実際に歩数を入力してくれたのは約250人と、参加率が低い状態でした。

そこで、より多くの方に楽しんで参加していただけるよう、チラシを改良して魅力やメリットを訴求したり、スマートフォン・活動量計との連携を促す仕組みを取り入れたりしました。また、写真投稿企画や事業所単位での呼びかけなど、継続しやすい仕掛けも併せて実施しています。

 

その結果、現在は2倍以上に上る1,300人以上がエントリーし、うち8割以上の方が実際に歩数を記録してくれるようになりました。今後さらに参加者が増えれば、先ほどお話しした行動変容が起きる方の人数ももっと多くなるはず。これからも積極的に参加を促していきたいです。

 


篠﨑様:
利用者側の視点でも少しお話しすると、ウォーキングラリーは職場での会話のきっかけになっていると感じています。あいさつのような感覚で「最近歩いている?」と声をかけ、自然にコミュニケーションが生まれる場面が多々ありますよ。

安田様:
同じ支店や部署内でチームを組んで参加してくれるケースも多く見られるので、「コミュニケーションを促すツール」としても機能してくれていると感じています。


4コマ漫画を使った認知拡大の取り組みが「Pep Upアワード2024」に選出

井上様:
当組合における「Pep Up」の登録率は、導入1年目では15%程度しかなく、その後もしばらくは20%台に停滞していました。2021年4月末時点でも26%にとどまっていました。

そこで、登録率向上を目指してさまざまなアプローチを開始しました。Pep Upの登録に必要な本人確認コードを、未登録者全員に再送付したり、保健師による個別健康相談での紹介、事業所単位でのウォーキングラリーの実施などの施策を展開しました。そのほか、オリジナルの広報チラシの配布や、ウェアラブルデバイスとの連携キャンペーンも行っています。
その結果、2025年2月末時点の登録率は64%にまで向上。4年間で約40ポイントも伸びています
安田様:
登録率が向上した背景には、『Pep Up』の認知拡大を目的に、広報誌『静農けんぽ』(年4回発行)に4コマ漫画を掲載しています。

4コマ漫画にはオリジナルキャラクター「Pep Up忍者」と「代官」が登場し、おもに「Pep Up」の機能をコミカルに紹介。「Pep Up」は楽しみながら使うツールなので、広報誌も親しみやすい雰囲気にしたいと考えて企画を練りました。

この取り組みは、「Pep Upアワード2024」にも選んでいただきました。
※Pep Upアワード2024事例集より抜粋(下図)
Pep Upアワードとは Pep Upを活用する健康保険組合様の優れた取り組みを表彰する制度です。
関連記事)

現在、広報誌では少なくとも毎号1ページは「Pep Up」紹介枠として4コマ漫画に割いてもらっており、加えて最近はイベント紹介ページに登場したり、特集ページを組んでもらったりすることも。2人が4コマ漫画から飛び出す機会が増え、認知度が徐々に高まっているのを実感しています。

井上様:
4コマ漫画を掲載するようになってから、被保険者の方から「広報誌の雰囲気が柔らかくなり、読みやすくなった」という声をよく聞くようになりました。

安田様:
そういってもらえるとうれしいです! 私の元にも 「毎号楽しみにしています」という声が届いており、励みになっています。

「Pep Up」を健保の情報発信プラットフォームに育て、加入者の健康を力強く支えたい


塩幡様:
加入者のみなさんは、これまで健保の存在を意識することはあまりなかったかもしれません。しかし、「Pep Up」で継続的に、かつ直接的に情報発信をすることで、少しずつお互いの距離が縮まってきたと実感しています。そうやって「つながり」が強くなったのは、とても大きな導入効果だと思っています。

井上様:
そのつながりを強固にする意味でも、さらに多くの方々に「Pep Up」を「自分の健康状態をいつでも確認できるツール」として認識してほしいですね。自分のからだを理解するための第一歩として、「Pep Up」を日々活用してもらえることを期待しています。

安田様:
また、「Pep Up」での情報発信を通じて、加入者のヘルスリテラシーを高める取り組みも重要だと考えています。そのためには、専門性の高い情報もさらに充実させていきたいです。とはいえ、「とっつきやすさ」は損なわないようにしたい。特に、まだ健康への関心が薄い若い世代には、「楽しさ」をきっかけに健康づくりに目を向けてもらう必要がありますから。
そして将来的には、「Pep Up」が健保の情報発信プラットフォームになることが理想的だと思っています。「健保の情報はPep Upで確認する」という認識を根づかせたいですね。

篠﨑様
そのゴールに向けた目下の課題は、登録率をさらに高めることだと考えています。たとえインセンティブがきっかけであっても、まずは「Pep Up」に登録し、触れてもらうことが重要ではないでしょうか。
その上で、他のメンバーも話しているように、「Pep Up」を活用して加入者の健康づくりをより力強く支えていきたいですね。効果がすぐに数字で表れる取り組みではないと思っているので、常に「5年先」を見据え、着実に積み重ねていくことが必要だと考えています。


インタビューを終えて

インタビューでとりわけ印象的だったのは、静岡県農業団体健康保険組合のみなさまが「Pep Up」の普及に向けて工夫を重ね、加入者とのつながりをしっかりと育んでいらっしゃること。そして、その過程を楽しんでいらっしゃることでした。

「登録率やイベント参加率のさらなる向上」は、私たちJMDCでも引き続き力を入れて取り組んでいきたいと考えているテーマです。さらに今回お話を伺う中で、それらを通じて「健康増進のためにできること」という本質的な部分をどう深めていくかについても、より検討を深めなければならない課題だと改めて感じました。
今後も健保のみなさまとJMDCが力を合わせ、より効果的な企画や取り組みを模索しながら、加入者の健康づくりを一緒に支えていけたらと思います。


本記事のご感想や今後希望するテーマなどぜひご意見をお寄せください

関連記事

データ分析や保健事業でお悩みの方は
お気軽にご相談ください

CONTACT
お電話でのお問い合わせはこちら
平日10:00~17:00
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
保険者支援実績No.1
JMDCのサポート内容はこちら
お役立ち情報満載の
メルマガをお届けします

人気記事ランキング

募集中セミナー

オンデマンド配信中

タグ一覧