【特別記事】「2022年問題」を見据えた健保財政予測
後期高齢者人口の増加により健保財政の悪化が想定される「2022年問題」。
健康保険組合としてはどのように太刀打ちすれば良いのでしょうか。
今回の特集では、将来を見据えた対策について考えます。
目次[非表示]
- 1.迫る「2022年問題」
- 2.健保財政予測支援サービスの概要
- 3.医療費抑制のための施策例
- 4.おわりに
迫る「2022年問題」
2021年4月に健康保険組合連合会が公表した「令和3年度 健康保険組合の予算早期集計結果(概要)について」*によると、2021年度の予算集計において赤字を見込む組合の割合が全国約1,400組合のうち78%と、20年度より12ポイント増加する見込みです。
また、実質保険料率も0.35ポイント増加し、解散の目安とされる10%を初めて超える見通しとなりました。
*https://www.kenporen.com/include/press/2021/2021042201.pdf
もともと2022年度から後期高齢者人口が急増し、健康保険組合の拠出金の負担増加が見込まれていました。また、現役世代の人口も減り続けており、保険料収入の減少が予想されます。
この「2022年問題」が新型コロナウイルス感染症流行の影響で1年早まった形となり、健康保険組合の財政状況は今後ますます厳しくなると考えられます。
健康保険組合として、収支状況を把握し早めに対策をすることの重要さが増してきていると考えられます。
健保財政予測支援サービスの概要
こうした状況を受け、JMDCでは「健保財政予測支援サービス」を開発、提供を開始しました。
本サービスは、約1,000万人分のデータにより構築した医療費予測統計モデルを用いて過去の加入者数や給付の推移などのデータをもとに将来の健康保険組合の収支を予測し、適正な保険料率や事業予算などの検討を支援します。
次年度以降の事業計画策定時や予算編成時、保険料率の変更検討時、健康保険組合の理事会・組合会などにおいてご活用いただくことを想定しています。
(”健保財政予測支援サービス”のイメージ)
医療費抑制のための施策例
「健保財政予測支援サービス」により見つかった課題に対しては、保険料率の変更を検討するといった対策が考えられますが、他にも加入者の健康を増進し将来医療費を抑制する施策を強化することも必要です。
JMDCでは「Pep Up」(ICTツール)やウェアラブルデバイス等を活用したサービス(10種類以上の健康チャレンジメニュー、食事指導する特定保健指導)を提供しています。
「Pep Up」やウェアラブルデバイスの提供は意識変容・行動変容、さらには健診値改善を促し、医療費の抑制効果があることが示唆されています。
(「Pep Up」のサービス概要)
(ウェアラブルデバイスの医療費への効果)
おわりに
「2022年問題」の解消に向け、JMDCでは「健保財政予測支援サービス」の他にも様々な健康増進サービスを提供しています。
健保財政予測支援サービス、Pep Up、ウェアラブルデバイスに関してご興味がある方は、お問い合わせください。