先取りで備える!第4期特定健診・特定保健指導
第3期データヘルス計画と並行して検討が行われている、第4期特定健診・特定保健指導の見直し。
本記事では、現時点で厚労省で見直しが検討されている点について解説します。
参考:
「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会(とりまとめ)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000975547.pdf
第4期特定健診・特定保健指導
第4期特定健診・特定保健指導については、厚労省の「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会」で議論が行われており、本記事では2022(令和4)年10月12日開催の検討会資料および、2023年3月1日にデータヘルス・ポータルサイトで公開された 「データヘルス説明会」をもとに解説いたします。
特定健診・特定保健指導の目標値は第3期に引き続き、第4期も据え置きになる見通しです。
特定健診の変更点
特定健診の詳細な健診の項目については、現状の項目及び運用が維持される見込みです。
また、新しい血液項目・手技、在宅検査キットの使用についても検討が行われていましたが、現時点で新たに追加は行われないとのことです。
一方で、特定健診の質問項目において項目8の喫煙、項目18・19の飲酒、項目22の特定保健指導に関して、質問項目や回答が修正される見通しです。
項目8の喫煙については、「習慣的な喫煙者」および「過去喫煙者」を把握するため以下のように修正が検討されています。
次に、項目18・19の飲酒については、飲酒頻度・量を精緻に把握するとともに「健康障害による禁酒」を区別するため、修正が検討されています。
また、項目22の特定保健指導に関しては、指導介入を行いやすくするよう修正される見通しです。
特定保健指導の変更点
保険者全体としての目標値に変更はないものの、保険者種別実施目標においては、単一健保および共済組合(私学以外)の特定保健指導実施率目標が引き上げられます。
特定保健指導の階層化に用いる健診項目について、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版における随時(非空腹時)中性脂肪値の追加に伴い、空腹時・随時中性脂肪を区別するよう検討されています。
特定保健指導の評価においては、プロセス評価とアウトカム評価を併用する方針とし、アウトカム評価が腹囲2cm・体重2kg達成により180 ポイントとなるようです。
なお、アウトカム評価未達の場合はプロセス評価を行い、180pt以上の支援を行うことで指導終了となります。
また、特定健診実施後の特定保健指導の早期初回面接実施を促進するため、特定健診実施日から1週間以内であれば初回面接の分割実施として取り扱えるように条件緩和することが検討されています。
さらに、これまでは特定保健指導開始前までの服薬者のみが対象者の分母から除外することができましたが、変更後は特定保健指導実施後の服薬者も除外を可能とするよう検討が進められています。
また、服薬中の特定保健指導対象者への服薬状況の確認や分母除外の同意取得の条件が緩和され、専門職以外の取り扱いも可能とするよう見直しが行われています。
医療職のいない健康保険組合としては、保健指導対象者の分母を削減することにより実施率が上がる効果が見込めるのではないでしょうか。
その他の検討事項
- 保健指導実施者が健診受診者に正しく情報を伝えるために、フィードバック文例集の活用がより一層進むよう分かりやすく明示する
- 医療関係者への情報提供を目的とした医療機関持参用文書(案)を掲載し、健診受診者が医療機関を受診する際等に持参・活用できるような見直しを行う
おわりに
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