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保健事業担当者必見!後期高齢者支援金加算減算制度2024年度改定のポイント


2018年度から導入された後期高齢者支援金・加算減算制度は、特定健診・特定保健指導を促進するための制度であり、2024年度から始まる第4期特定健診・特定保健指導に合わせて改定が予定されています。この記事では、2024年度の改定(予定)内容について解説します。
(※ 本記事は2023年3月30日に厚生労働省ホームページで公開された「第45回 保険者による健診・保健指導等に関する検討会 資料(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001079969.pdf )」に基づき作成しております。内容についての疑義がございましたら、関係省庁へのお問い合わせを宜しくお願いいたします。)


目次[非表示]

  1. 1.後期高齢者支援金・加算減算制度とは
  2. 2.加算条件
  3. 3.減算条件
  4. 4.【まとめ】


後期高齢者支援金・加算減算制度とは

2008年に特定健診・特定保健指導が義務化され、40歳以上の予防を目的とした健康管理が保険者へ義務付けられましたが、実績値が伸び悩んでいることが課題でした。高齢者医療費の増加も止まらず、2013年にテコ入れとして開始されたものが後期高齢者支援金・加算減算制度です。

特定健診および特定保健指導の実施率がゼロ(0.1%未満)の保険者を対象に、後期高齢者支援金負担を0.23%加算するものとして始まった同制度ですが、加算率および加算対象上限も低く、ペナルティとしては十分に機能していませんでした。

2018年度より、本制度の対象が健康保険組合・共済組合に限定されたことに伴い制度の厳格化が進み、加算減算指標に保健事業の総合評価指標が導入されました。
今日まで続く制度の原型が、整った形となります。

加算と減算の規模は同じとなり、加算は特定健診および特定保健指導の実績に応じて、減算は特定健診および特定保健指導の実績の他、総合評価指標の達成状況に応じて算出されることとなります。



加算条件


特定健診および特定保健指導の実績に応じて加算される点は前述いたしましたが、2024年度の改正からそれぞれの加算上限が一部引きあがることとなりました。
また、2024年度以降は実績を踏まえて毎年度設定されることも決まっており、加算上限ギリギリで推移している保険者にとっては毎年実績を上げていくことが求められております。




なお、実施率が一定以上の保険者の場合、総合評価項目を一定の基準以上で満たす際に加算除外となります。詳細の加算除外要件は以下の通りです。



減算条件


減算条件は、保健事業の総合評価指標で評価し決定されます。
総合評価指標上位20%の保険者であり、かつ必須項目4つを満たすことが必要です。総合評価指標は7つの大項目から構成されていますが、2024年度より大きな変更が加えられることとなります。



配点は従来と同じく総合評価の合計200点の大部分を占めており、減算上位20%を狙うためには本項目で高得点を取ることが必須という条件は変わりません。
変更点は、従来は「特定保健指導」の対象者割合の変化が指標でしたが、服薬開始者も減少幅に含まれることが適切ではないという考え方から、服薬者を除いた純粋な「肥満解消率」が小項目③として設定されました。



小項目⑤が新たに追加されました。先ほどの「肥満解消率」と同様に、服薬者を除いた「予備群」「正常群」の割合変化を見るものへと変更されています
治療ではなく予防観点の指標であることが伺えます。




こちらは従来から大きく変更となった項目です。これまでは大項目7でコラボヘルスに関する指標がまとめられていましたが、大項目3に移行して内容も見直されました。

小項目①PHRの体制整備についてです。
いわゆるICT・健康ポータルサイトを導入しましょう、という性質のものではなく、「40歳未満の事業主健診データの提供依頼」や「マイナンバーカードの利用促進や登録手順の周知」といった点が要件となっています。
あくまでもPHRの導入に向けた体制整備に重きが置かれている印象です。

小項目②コラボヘルスの体制整備について、スコアリングレポートの活用、事業主と連携したデータヘルス計画や健康宣言の策定、就業時間中の保健指導実施体制の整備といった、小項目①と同様に体制整備に軸足が向いています。
一方で、従来の小項目「情報提供の際にICTを活用・対面での健診結果の情報提供」、「保険者共同での特定健診データの分析、共同事業の実施」は見直しとなりました。
前者は項目の解釈への自由度が高く、必ずしもICTや健康ポータルサイトを導入せずとも達成できてしまうことから、今回見直しとなったのではないでしょうか。



後発医薬品に関する項目です。後発医薬品の使用割合基準値が75%から80%に見直しとなりましたが、既に多くの保険者が80%を超えて来ている中では、小項目③が重要性を増すのではないでしょうか。
小項目③は従来からあった項目ですが、「国への報告」の記載が追記されました。報告方法は検討中とのことですので、続報を待つ必要があります。



小項目の内容には変更はありませんが、配点の見直しがなされました。歯科の取り組みは配点が高く、減算を目指すには是非とも取り組みたい項目となります。




大幅に変更が加わった項目です。

喫煙対策事業を含む健康づくり事業の実施および効果検証の実行による配点がまとまり、小項目②~⑥は「保険者種別ごとの平均値と比較した良好者割合」での評価となっています。
最大3点となっていますが、他組合平均と比べて良好者割合が高ければ3点、平均より低くても、改善率の如何で得点となります。
本項目も大項目1および2と同様、予防の強化に向けた整備であり、健康イベントの展開や情報提供で意識行動変容を促す働きかけの重要性が増してくると考えられます。



【まとめ】


全体的に、これまでは受診勧奨などの重症化予防の側面が強い指標であったのに対し、本改定においては予防の観点の指標が増えた印象を持ちました。
今後、予防に向けた取り組みを強化していくことがますます求められるのではないでしょうか。

ここまで、後期高齢者支援金・加算減算制度の2024年度改定について解説いたしました。また、本記事の内容をご紹介したセミナーも4月に開催いたしましたので、そちらのアーカイブも是非ご覧ください。

>>新任ご担当者様向け|データヘルス解説編

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