catch-img

2024年9月「マイナ保険証を基軸とした医療DXがもたらす、データヘルス・コラボヘルスの推進について」|セミナー開催レポート


2024年9月に、社会保険診療報酬支払基金 岡明男様、東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井裕司特任教授を講師にお招きし、「マイナ保険証を基軸とした医療DXがもたらす、データヘルス・コラボヘルスの推進について」のセミナーを開催いたしました。
当日、会場には39名、オンラインでは308名の方にご参加いただきました。

本記事では、当日の登壇内容の概略をご報告いたします。



第1部:マイナ保険証の利用促進(資格確認の交付等)について


第1部では、社会保険診療報酬支払基金 岡様より、「健康保険組合が医療DXで目指すこととは?」と題し、国が目指す医療DXの推進とその基軸となるマイナ保険証についての動向をお話しいただきました。
2024年12月2日には現行の健康保険証の新規発行が終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行されます。その際に保険者が理解しておくべきマイナ保険証に関する制度やメリット、注意点などを詳しく解説いただきました。
今後医療DXが推進されていく中で、基盤となるマイナ保険証についての動向と詳細を学ぶ貴重な機会となりました。


第2部:健康保険組合が医療DXで目指すことは?


第2部では、東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井裕司特任教授より、健康保険組合が医療DXで目指すことについてお話しいただきました。
お話の中では、医療DXが推進されていくことで、現状の様々な課題が改善されていく未来のビジョンを共有いただきました。
また、各健康保険組合が医療DXの広がりの中で「何を目指すのか」を明文化することが、非常に重要であるというお話もいただきました。


第3部:トークセッション



第3部は、岡様、古井様と当社データヘルス研究所 所長の工藤大によるトークセッションを実施いたしました。
事前に募集した質問内容や、オンラインからの質問内容にもリアルタイムでご回答いただきました。本記事ではいただいた質問をいくつかピックアップしてご紹介いたします。


Q.健康保険法のもとで電子化を進めることができる範囲について、現時点で実現可能である内容をデータヘルス、コラボヘルスも含めて健保業務全般に照らし合わせて教えてください。


A.医療DXで大きく変化する部分としては、基幹業務の効率化が挙げられます。
特に、業務の進捗管理や委託事業者との情報共有、保健事業の効果検証、課題の抽出などの業務が電子化され、効率的になります 。


Q.1人1人の生涯記録(学生時の健診など)と各保険者が保有する特定健診データなどを横断的に繋げ、各個人へのアプローチを可能にする仕組みなどは将来的にも検討されたりはするのでしょうか。


A. 将来的には質問頂いた個人へのアプローチを可能にする仕組みができてくると考えられます。個人の健康データを学生の時の健診データから見てほしいという場面が来た際には、ボタン一つで見ることができるような仕組みが作られていくと考えられます。


Q.健康経営の領域においてもPHRの活用が期待されていますが、PHRから得られる歩数等のライフログデータの活用の方向性について、ご教示いただけますと幸いです。


A. 会社や健保に被保険者様が加入したときに、その会社や健保の方針を明確に伝えることが重要です。データの利活用やライフログデータと健保の保健事業を一体として管理し、そこに対してインセンティブを与えるなどの方向性がアイデアの一つとして考えられます。
各事業者様、健保様によって文化や考え方に違いがあるため、そのベースとなる部分を確認したうえで、そこからどのようにデータを活用するのかという方向性を検討していく必要があるかと思います。


さいごに

今回は、社会保険診療報酬支払基金 岡明男様、東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井裕司特任教授にご登壇いただき、マイナ保険証を基軸とした医療DXがもたらすデータヘルス・コラボヘルスの推進について、最新の状況と今後の展望について、ご紹介いただきました。
セミナー開催後には、軽食を用意し、ご参加者様との情報交換会を開催いたしました。

ご参加者様からは、

マイナ保険証の今後の運用についてイメージができました。また、医療DXのメリットや活用方法、今後の展望についても理解できました。

今後更に医療DXの推進が重要となることが再認識できました。

マイナ保険証をツールとして標準化を進め、標準化の中から個人へのアプローチを見つけ、指導の結果を出すという流れは、なるほどと思いました。

保険者のやるべきことを古井先生にわかりやすくご説明いただき、将来展望への理解も深まり、大変勇気づけていただいた。


などのお声が多く寄せられ、好評をいただくことができました。
JMDCでは、今後も保険者様の事業推進につながるような、価値あるイベントの提供に努めてまいります。

最後になりますが、今回ご登壇いただいた、社会保険診療報酬支払基金 岡明男様 と東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット 古井裕司特任教授には心から感謝申し上げます。
ご協力いただき、誠にありがとうございました。





方面会・勉強会等で講師・登壇依頼は
下記フォームより ご連絡ください

会社でお使いのメールアドレスをご記入ください。

最新のノウハウ記事