健康ポータルサイトの登録率を一気に伸ばす!4つの事例から紐解く成功のポイントとは
加入者向け健康ポータルサイトの登録率・利用率の向上は、多くの保険者が頭を悩ませる課題のひとつではないでしょうか。
今回はJMDCが提供するPep Upを例に、登録率アップのポイントを事例付きで解説します。Pep Upユーザーはもちろん、Pep Up以外のサービスを利用している保険者の担当者も、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
※本記事で紹介する事例は、Pep Upユーザー会「Pep UpふれんどMeeting2024」の内容の抜粋となります。
登録率をぐっと伸ばす“登録スパイク”発生の条件
JMDCでは、登録率がぐっと伸びたときに出現するグラフの尖りを「登録スパイク」と呼んでいます。登録スパイクは導入からの年数を問わず起こり得ますが、当然、何か特別な施策を行わなければ発生しません。
具体的には、特に以下の4点を意識した工夫が重要になります。実際の成功事例をもとにチェックしてみましょう。
登録率の伸び幅上位4組合の実践事例
【ケース1】日本旅行健康保険組合様
日本旅行健保様で登録スパイクが起きたのは導入2年目のとき。導入2年目における全ユーザーの登録率伸び幅の平均が6.6%であるのに対し、日本旅行健保様は45.7%という大きな伸びを記録しています。2024年9月末時点での登録率は83.76%で、被保険者に限定すると96.4%という高水準です。
日本旅行健康保険組合様のプロフィール
(2020年8月Pep Up導入)
POINT 医療費通知のWeb化時にこまめなコミュニケーション
日本旅行健保様では、医療費通知を紙からPep Upに移行するにあたり、事業主や加入者に手厚く、きめ細かくサポートしたことが、登録率の伸びにつながりました。
事業主に対しては、毎月、事業所別の登録率ランキングと未登録者リストを共有し、その際に「前月よりも上がりましたね」といった温度感のあるコメントを付けています。
また、加入者に対しては広報誌「健保ニュース」を使い、完全移行の2年前から告知を始めて、段階を踏む形で何度も丁寧に周知。それでも登録がない加入者に関しては、健保から直接本人にメールの配信も行っています。
【ケース2】藤倉コンポジット健康保険組合様
藤倉コンポジット健保様では、Pep Up導入から4年目で登録スパイクが発生。導入4年目における全ユーザーの登録率伸び幅の平均は4.0%であるところ、藤倉コンポジット健保様は24.8%の伸びを記録しています。2024年11月時点での登録率は84.1%です。
藤倉コンポジット健康保険組合様のプロフィール
(2019年11月「Pep Up」導入)
POINT1 常務理事自ら事業主側の会議で登録勧奨を要請
藤倉コンポジット健保様でも、医療費通知のWeb化を機に登録スパイクを起こしています。
事業主に対しては、登録勧奨の協力を得るに当たってコミュニケーションを緊密化。同健保は、もとは別であった藤倉コンポジットグループと藤倉化成グループの健保組合が合併してできた経緯がありますが、従来あまり関係性が深くなかった藤倉化成グループの事業主に対しても、常務理事が自ら各社の人事総務部会議に出席し、Pep Upの説明を行いました。
POINT2 加入者には「医療費通知Web閲覧システム」と説明
加入者向けにはPep Upを「健康ポータルサイト」「健康情報サイト」といった位置づけではなく、「医療費通知Web閲覧システムです」と振り切って紹介しているのが特徴です。加入者に具体的な使い方をシンプルに伝えたことで認知が広がり、登録スパイクにもつながりました。
【ケース3】エプソン健康保険組合様
エプソン健保様では導入6~7年目という、比較的遅い時期に登録スパイクが起きています。全保険者の導入6年目における登録率伸び幅の平均は3.1%、7年目における平均は2.5%であるところ、エプソン健保様は6年目に5.8%、7年目に6.2%と、平均を1~2%上回る伸び率を2年連続で達成。2024年9月末時点での登録率は83.16%となっています。
エプソン健康保険組合様のプロフィール
(2017年5月「Pep Up」導入)
POINT1 複数のアプローチで新入社員の登録を最大化
エプソン健保様では、新入社員のPep Up登録が可能になるタイミングに合わせてウォーキングラリーのエントリーを開き、参加を促しているのが特徴です。またPep Up登録通知を配布するだけでなく、健保から全社広報への案内を掲載したり、未登録者にオリジナルメールを配信して案内したりと、多方面から登録を促しています。
POINT2 ウォーキングラリーを事業主と繰り返し改善
エプソン健保様では、事業主が中心となってウォーキングラリーの企画やインセンティブ設計に携わり、より多くの人に参加してもらえるよう何度も改善を行っています。例えば、1年のうち春と秋に2回ウォーキングラリーを開催し、春は個人目標の達成、秋はチームでの目標達成といった形でテーマを変え、飽きずに参加できるように。またインセンティブ設計でも、歩数が上位の参加者だけでなく、大人数チームの協力プレイによる目標達成やキリのいい順位などに対してもポイントを付与するなど工夫しています。「参加したい」と思えるようなイベントを開催し続けたことで参加率と目標達成率が着実に伸長し、登録スパイクにつながりました。
【ケース4】長野県農業協同組合健康保険組合様
長野県農協健保様では、導入7年目で登録スパイクが発生しました。導入7年目における全保険者様の登録率伸び幅の平均は2.2%ですが、同健保では5.1%と平均を約3%も上回って伸長しています。2024年9月末時点での登録率は56.09%です。
長野県農業協同組合健康保険組合様のプロフィール
(2017年5月「Pep Up」導入)
POINT1 各事業主の状況に応じてアプローチを変化
JAや厚生連病院など、さまざまな事業所が加入する長野県農協健保様では、各事業所の状況に応じてアプローチを変えて登録率アップを促しています。
例えば、登録が伸び悩んでいる事業所に対しては、事業所のリクエストに応える形で、事業所主催のウォーキングラリーを健保がサポート。一方、業務効率化を求める事業所へは医療費通知の機能を活かして「Pep Up登録率が70%を超えたら、医療費通知の紙を廃止してWeb化する」という制度を設け、事業所が主体となって登録者数アップに取り組めるようにしました。
POINT2 インパクトのあるインセンティブ設計
加入者向けの取り組みでは、インセンティブポイントの設計を工夫しています。例えば、体重や血圧などの日々の記録によるポイント付与に加え、一定期間以上の継続実施でボーナスポイントを追加付与するキャンペーンを企画。新規加入者の強い登録動機につながっています。
おわりに
Pep Up、ひいては健康ポータルサイト導入後のどのタイミングでも、工夫によっては登録率を伸ばせる可能性があります。今回ご紹介した事例を参考に、ぜひ自組合の状況や課題にあわせて施策を立て、実行してみていただけると幸いです。
JMDCの「Pep Up」は、サクセスチームを中心として、登録率・利用率向上をさまざまな形でサポートをしています。Pep Upをご利用中の保険者様で、登録率や利用率についてお悩みの際は、以下のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。