健診を受けない「根強い未受診層」のホンネ
特定健診、特に被扶養者の受診率向上には、苦労されている健保組合様も多いのではないでしょうか。
対象者に動いてもらうために新しい取り組みを実施しても、成果が見えづらく、結局のところ良かったのか悪かったのかよくわからない・・・
では、なぜ被扶養者の特定健診受診率は上がらないのでしょうか?
実際に健診を受けない人のホンネを、8パターン挙げてみました。
(1) 健診の必要性を感じないから
最も厄介なのが、このような考えを持っている層ではないでしょうか。
「通院中で定期的に検査を受けているので、健診の必要性を感じない」
「自分は健康だから、健診を受けなくても良い」
「何かあったら、病院に行けばいい!」
「いつも “異常なし” なので、毎年受ける必要性を感じない」
(2) 健診を受けるとお金がかかるから
加入者の自己負担額を高額と感じ、健診を避けているケースです。
一般的に”安い”とされる金額で無い場合も多いため、後回しにしてしまう加入者もいらっしゃるようです。
(3) 忙しいから
仕事や育児で健診に行く時間を取ることが難しい、と考えているケースです。
子供が生まれたばかりで、自分自身の健康は二の次!なんていうお母さんも多いのかもしれません。
(4) 近隣に健診を受けられる施設が無いから
地方の加入者など、交通の便が悪さがネックになっているケースです。
弊社で提供している医師紹介サービスでも”30分以内”で行ける医療機関を希望される方が多く、
何かあった時のためにも、近くの医療機関で受診したい方が一定数いらっしゃるようです。
(5) 悪い結果が出るのが怖いから
自分の健康状態に不安を感じており、「病気である」という事実を知りたくないと考えているケースです。
不安があると先延ばしにしたくなるのも理解できますが、
健康保険組合としては、そういう人にこそ早く健診を受けて欲しいものですよね。
(6) 「健診を受ける必要がある」という認識がないから
情報発信は中々難しいもので、発信者がびっくりしてしまうような勘違いをされているケースもありますよね。
実際に、下記のように思っている人もいらっしゃるようです。
「パート先で受けたから必要ないと思った!」
「健診って、会社勤めしていない専業主婦は任意なのでは?」
(7) 恥ずかしい思いをする場面を避けたいから
女性に多い意見です。
他人に体重や身体を見られる事が恥ずかしいと感じ、先送りにしてしまうケースもあるようです。
(8) 急用で予約をキャンセルし、そのままになってしまっているから
ひとたび健診の予約を済ませてしまえば、健康保険組合や会社からの催促が少なくなるため、
急用でキャンセルした後すっかり忘れてしまっているケース、”あるある”なのではないでしょうか。
では、これらを解決するために健康保険組合が出来ることは・・・
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金銭的負担を軽減する(助成金額を増やす)
パート先などで受けた健診結果を出すように促す工夫をする
健診施設数を増やし、交通の負担と日程の制限を軽減する
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など、いくつかあると思いますが、
どんなに健保から歩み寄っても動いてくれない「根強い未受診層」へのアプローチはとても難しく、この「根強い未受診層」こそがネックになっているのではないでしょうか。
次のレポートでは、「未受診パターン分析」によって健診勧奨の効率化を図るための分析事例をご紹介します。
お手元の健診・レセプトデータを使って、すぐに実践可能な内容をご紹介いたしますので、是非ご覧ください。