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特定保健指導の実施率向上のカギは、対象者減少!

読者の皆さまの中には、特定保健指導の実施率を高めることに苦労している保険者様も多いのではないでしょうか。

今回の特集では、JMDC保有データが示す実態に着目し、効果的に特定保健指導の実施率を向上させる方法について考えます。



目次[非表示]

  1. 1.データが示す特定保健指導対象者の実態
  2. 2.特定保健指導の対象者数を減らすには
  3. 3.保健指導新規流入防止パッケージ
  4. 4.まとめ


データが示す特定保健指導対象者の実態

下記のグラフはJMDCが保持しているビッグデータを用いた、2019年度から2021年度の特定保健指導対象者人数の推移です。

縦軸の0を起点に上の部分は特定保健指導対象者、縦軸の0を起点より下の部分(白色部分)は特定保健指導対象から外れた人(流出者)となります。棒グラフの黒い部分は新しく特定保健指導対象者となった流入者、グレーの部分は連続して特定保健指導対象者となっているリピーターになります。


グラフを見ると、特定保健指導対象者数(黒+グレー)は2019年度から2021年度にかけて横這いであることがわかります。また、流出者数と流入者数がほぼ同等であることも見受けられます。

さらに、リピーターとして翌年度も対象者として留まり続けてしまう人も半数以上います。

したがって、実施率を高めるために実施者数を増やしても対象者数全体はなかなか減らないといった保険者様の課題に繋がっていることがわかります。


特定保健指導の実施率は実施者数÷対象者数で決まるため、実施率を高めるためには実施者数(分子)を増やすことに加えて、対象者数(分母)を減らすことも重要となります。よって、最初から特定保健指導を受ける必要のない人を抽出することで、対象者数(分母)を減らすことができます。また実施コストも削減することもできるのです。


特定保健指導の対象者数を減らすには

それでは、特定保健指導の対象者数を減らすためには、どのような施策を行えば良いのでしょうか。
ここでは3つの方法をご紹介します。


①特定保健指導対象者のうち、既に要医療の対象者へは通院指導を行い服薬対象者とする

JMDC保有のデータ(JMDC2021年度被保険者データより)では、特定保健指導対象者全体の約26%は要医療(人間ドック学会基準)の対象者です。)。生活習慣病重症化予防対策として医療機関受診および服薬指導を促し、服薬者として翌年の特定保健指導対象者から外れることで、対象者数を減らすことができます。


②特定保健指導対象者のうち、既に服薬治療を行っている方に対して専門職が面談を行い、保健指導対象者から除外する

特定保健指導対象者のうち、既に服薬している対象者は13%程度います(JMDC2021年度データより)。専門職が本人へ面談し、服薬が確認できた場合には、対象者から除外(XMLデータの修正)することで対象者数を減らすことができます。

参考:
特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き(第3.2版) 2-1 対象者
 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000735512.pdf 


なお、2024(令和6)年度から始まる第4期特定健診・特定保健指導では、専門職以外でも服薬中の特定保健指導対象者への服薬状況の確認や分母除外の同意取得が可能となる見通しです。


  第4期特定健診・特定保健指導 今後の動きは? 第3期データヘルス計画と並行して検討が行われている、第4期特定健診・特定保健指導の見直し。 本記事では、現時点で厚労省で見直しが検討されている点について解説します。 JMDC STORIES



③将来的に保健指導対象者になり得る人に対し、生活習慣改善プログラムを実施する

一度特定保健指導対象者になると翌年も保健指導対象者(リピーター)となり、生活改善が見込みにくくなるので、次のような人に対し早期介入を行うことで、将来的に特定保健指導対象者への流入を防止することができます。

  • 若年層(例えば35~39歳)で、年齢以外の条件がすでに特定保健指導レベルに達している人
  • 特定保健指導レベルに達してはいないが、40歳以上で特定保健指導対象目前の人

例えば 

 ①BMIが25以上
 ②ウエスト周囲長が男性で85cm以上、女性で90cm以上であること
 ③軽度の肝機能異常や糖尿病の前段階(インスリン抵抗性)があること
 ④血糖、脂質、血圧において内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)の判定項目のリスクが1つ以上の場合で喫煙者の方

既に若年層向けの運動介入プログラムなど導入している保険者様もいらっしゃるかと思いますが、JMDCも同様のサービスを提供しております。


保健指導新規流入防止パッケージ

JMDCはRIZAP社との協業により、上記の③に着目した「保健指導新規流入防止パッケージ」を提供しています。

このパッケージでは、35~39歳には40歳時点の保健指導予測確率、40歳以上かつ特定保健指導対象外かつ非服薬者に対しては2年後の保健指導予測確率を算出し、確率が高い方に対して集中的にRIZAPのオンライン指導を行います。

短期的に体重を減らすことはもちろん、将来特定保健指導対象者にならないために「継続できる」生活習慣を身に付けてもらうことを目的としたプログラムです。

これまで10健保以上で実施しており、導入事例は以下でご紹介しています。

【加入者インタビュー】 JMDC×RIZAP保健指導新規流入防止パッケージの成果

  【インタビュー】グラクソ・スミスクライン健康保険組合様|JMDC STORIES 「JMDC×RIZAP保健指導新規流入防止パッケージ」について、グラクソ・スミスクライン健保様での導入事例をご紹介いたします。 JMDC STORIES


まとめ

今回は保健指導の実施率向上の施策として、保健指導対象者を減らすことに焦点をあててご紹介いたしました。

通院指導・保健指導対象者分析・抽出方法や、将来的に保健指導対象者になりそうな人への生活習慣改善プログラム「保健指導新規流入防止パッケージ」についてはJMDCにご相談ください。




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