
【事例】保険者のウォーキングイベントに活かせる参加率・歩数アップのヒント|Pep Up活用事例から紹介
出歩きやすい季節である春・秋は、保健事業でウォーキングイベントを実施しやすい時期。秋のウォーキングイベントに向けて、夏のうちから準備を進めておきたいところです。
一方、ある程度継続していると「参加率が頭打ちになってしまった」「歩数が伸びない」といった課題も見えてきます。
今回は、JMDCのPHRサービス「Pep Up」のユーザー事例から、こうしたウォーキングイベント(「Pep Up」上の表記は「ウォーキングラリー」)で陥りやすい課題を解消した取り組みをピックアップ。成果をもう一歩伸ばすための施策運用のヒントを紹介します。
(掲載資料は「Pep Up活用してるよ!アワード2024エントリー事例集」「同付録」、および「Pep Up活用してるよ!アワードエントリー事例集2025」と、各健保組合様の一般公開資料より抜粋しています)
【事例1】事業主主催のイベント実施体制を整え、事業所分散の課題を解消(KDDI健康保険組合)
ウォーキングイベントをはじめとする健康イベント・プログラムを実施する際、参加率を上げるためにまず意識したいのが、コラボヘルス、すなわち事業主を巻き込む視点です。特に加入事業所が多い健康保険組合では、事業主の協力がイベントの成果を大きく左右します。

事業主・健保組合・JMDCの役割分担。事業主主体でイベントを運営する体制を整備しています。
50社以上の加入事業所を抱えるKDDI健康保険組合では、事業主が健康づくりのメッセージを加入者に直接届け、より主体的な参加を促せるよう、事業主が主催者となり、「Pep Up」のウォーキングイベントを実施しています。
社員の運動不足やメンタルヘルスの改善、コミュニケーション活性化にもつながる取り組みとして位置づけられており、イベント内容の企画や周知、参加者からの問い合わせ対応など、主要な運営業務は各事業主が担当しています。また、インセンティブとして付与する「Pep Up」ポイントの費用も事業主が負担。さらに、事業主とJMDC間でポイント利用費用の直接請求・直接支払いができるよう、事業主・健保・JMDCによる3者間コラボヘルス契約を締結し、費用や業務の分担を明確化するなど、運営体制を整備しました。
加えてKDDI健康保険組合は、各事業所の人事労務担当者や管理職層に対してイベントの目的や効果を継続的に発信し、事業所ごとの取り組みを後押しすることで、加入事業所全体の健康増進活動を推進しています。
以上のような体制で2022年度から施策を開始した結果、母体企業であるKDDI株式会社をはじめ、複数の事業所で、それぞれの事情や目的に応じたウォーキングイベントが継続的に実施されています。加入事業所の実施率は2025年時点で20%ほどながら、健康経営への関心の高まりとともに取組みは着実に広がりを見せているといえます。
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以上のような体制で2022年度から施策を開始した結果、母体企業であるKDDI株式会社をはじめ、複数の事業所でウォーキングイベントが実施されています。加入事業所の実施率は2024年時点で10%ほどながら、徐々に広がりを見せているといいます。
【事例2】アンケート活用で不満を解消し、新規参加者を獲得(東芝健康保険組合)
参加率が伸びない場合は、アンケートなどをもとに加入者の意見を反映し、イベントをブラッシュアップすると、参加者が増える場合も少なくありません。
東芝健康保険組合では、こうしたアンケートの活用に注力。加入者の意見が反映された例のひとつが「毎月ウォーキングラリー」です。インセンティブポイントを付与する5月、10月には、歩数に応じてキャラクターが変化する「称号機能」を取り入れたウォーキングラリーを実施。それ以外の月にも、自主的・自由な形態で参加できるイベントを実施しています。

「称号機能」とシンプルなバナーを使い分け、イベントの位置づけをわかりやすくしています。
併せて、毎回のウォーキングラリーの集計結果と事後アンケート結果を広報誌の記事にし、新規・継続参加を促せるよう発信しています。例えば、アンケート結果から、イベント参加者の多くが感じているメリットを紹介したり、不参加者の多くが回答した理由に対してフォローしたり(「チームに参加したくなかった」という理由に対して、個人でも参加できる旨を伝えるなど)しているほか、過去には自由意見欄で寄せられた質問への回答として、歩数が多い参加者の歩き方実例も紹介しています。

ウォーキングラリーの結果やアンケートで寄せられた声、歩き方の実例を広報誌で紹介。次回イベントへの参加や継続参加を促しています。
結果、2024年については、5月にポイント付与ウォーキングラリーを実施したのち、6〜8月のイベントはポイントなしかつ自由参加であるにもかかわらず、いずれも5月の半数近くの人数が参加。新規の参加者や、5月より歩数が増えた参加者もいたといいます。
【事例3】「ウォーキング×フォトラリー」の独自イベントでPHR登録率が向上(大阪港湾健康保険組合)
ウォーキングイベントなどの健康イベントは、PHRの登録・利用を促すきっかけとしても有効です。
大阪港湾健康保険組合では、加入者の運動不足解消と「Pep Up」登録率の向上を目的に、「Pep Up」のウォーキングラリーと、同組合オリジナルのイベント「フォトラリー」を組み合わせて実施しています。

ウォーキングラリーとフォトラリーを組み合わせ、楽しみながら参加できるイベントを実施しています。
同組合のフォトラリーは、加入者が組合が設定したチェックポイントを訪れ、専用システムを利用して写真を撮影し、アップすると、インセンティブとして「Pep Up」ポイントがもらえるというもの。参加者が楽しみながら身体を動かせるイベントとして、当初はウォーキングイベントとは別に開催していたものの、魅力が伝わりきらず、参加者数が伸びなかったといいます。そこで、同組合ですでに定着していた春のウォーキングイベント(動物園などで開催、毎年約500名が参加)と同時開催し、魅力を体感してもらえるようにしました。
結果、イベント後のアンケートでは、参加者の88%がフォトラリーについて「とても楽しかった」「楽しかった」と回答。頭打ちになっていた「Pep Up」の登録率も2.0ポイント増加しています。
【事例4】社会貢献をテーマにしたウォーキングイベントで参加者増加(ミツバ健康保険組合)
ウォーキングイベントでは、「なぜ参加するのか」という目的をわかりやすく伝えることも、参加率向上につながるポイントです。
ミツバ健康保険組合では、認定NPO法人「TABLE FOR TWO※」と連携した社会貢献型ウォーキングイベントを実施しています。歩くことが世界の子どもたちへの給食支援につながる仕組みを取り入れ、健康づくりに加えて「社会貢献」という新たな参加意義を打ち出しました。
※認定NPO法人「TABLE FOR TWO」:開発途上国の子どもたちへの学校給食支援と、先進国の健康づくりを同時に目指す社会貢献活動。スポーツや健康イベントなどを通じた支援にも取り組んでいます。

「TABLE FOR TWO」と連携した社会貢献型ウォーキングイベント。健康づくりと社会貢献を組み合わせた企画で参加を促しています。
イベント開始前には、健康経営推進委員会や各拠点担当者と連携し、社内イントラネットやメール、朝礼など複数のチャネルで周知を実施。エントリー期間前から各拠点へ協力を依頼したほか、「多くの人が参加するイベント」であることを案内、上位チームインタビューでは歩数アップするための工夫を記事にするなど、参加しやすい雰囲気づくりにも取り組みました。
また、個人・チーム目標の達成によるポイント付与に加え、目標達成した人の中から抽選でラッキー賞として追加でポイント付与するなど、参加意欲を高める工夫も行っています。
通常のウォーキングラリーと比べて参加者は約100名増加し、参加率・達成率ともに向上しました。さらに、本取り組みは「TABLE FOR TWOアワード2023」において大賞を受賞するなど、健康づくりと社会貢献を組み合わせた取り組みとして高く評価されています。
ウォーキングイベントの参加率・歩数アップに向けて保険者ができること
ウォーキングイベントの参加率・歩数の向上を図るための切り口はさまざまです。事業主を巻き込む体制の整備やアンケートを活用したイベント改善、参加したくなる企画づくりや、参加する意義を伝える取り組みなど、自組合の課題に応じたアプローチを探ってみましょう。秋のウォーキングイベントシーズンに向けて、ぜひ今から準備してみてください。




