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【ユーザー会後編| 保険者事例】武田薬品健保・全国労働金庫健保が語った、総合評価指標ジャンプアップの舞台裏

2026年5月13日、「2026年度春 JMDCユーザー会」を開催いたしました。今年度は、保険者様同士の地域を超えた交流を深め、新たな学びを得る場として活用していただくことを目的とし、東京国際フォーラムでの一拠点開催となりました。

前編では、当社代表・野口によるJMDCのデータ活用のハイライトと、東京大学の古井祐司特任教授による「攻めの予防医療」をテーマとした特別講演の内容をお届けしました。

関連記事)【ユーザー会|レポート前編】第3期データヘルス計画中間評価・見直しを前に——「攻めの予防医療」が保険者運営を変えていく 

 

後編となる本記事では、第3部の保険者事例セッションより、JMDCのプロダクトを活用して総合評価指標の向上につなげた2つの保険者様(武田薬品健康保険組合様・全国労働金庫健康保険組合様) の実践事例をご紹介します。

 


データとデジタルで「指標を動かす」健保運営へ─後期高齢者支援金総合評価指標点数を86点から123点へ

登壇者:武田薬品健康保険組合 常務理事 竹本 覚 氏

武田薬品健康保険組合の後期高齢者支援金総合評価指標の点数は、2022〜2023年は横ばいが続いたが、JMDCプロダクト活用後の2024年に123点へ向上。2025年度は160点を目標に、取り組みを継続している。

 <武田薬品健康保険組合
・単一健保
・被保険者数:5,596人
・被扶養者数:6,633人
・事業所数:7カ所
※2026年3月時点

課題 データ・デジタルを活用した健保運営の実現
施策 2023年4月に分析業務そのものをJMDCへ移行。JMDCの担当者との月次定例会で総合評価指標の各項目を確認し議論しながら、年間計画の策定や個別介入通知の展開を進めた。
効果 後期高齢者支援金総合評価指標の合計点数が2023年度の86点から2024年度には123点へ向上(約1.4倍)。多種多様な保健事業を展開するという形で加入者への還元につながった。

 


データ活用の課題解決へ|分析業務そのものをJMDCにすべて委託

武田薬品健康保険組合が長年掲げてきた課題のひとつが、「データ・デジタルに基づいた業務を健保内に構築すること」でした。以前は他社の分析サービスを利用していましたが、2023年4月に分析業務そのものをJMDCへ移行。健保内で分析を行うのではなく、JMDCの専門チームが分析や施策の検討から実行までを担う体制へと切り替えました。 

 

その関係性を、竹本氏は「JMDCに分析業務をすべてお任せして、健保の一員として分析担当者を一人採用したという認識でいます」 と表現しました。

 

JMDCを『健保の分析担当者』として位置づけ、連携体制を構築した。

データヘルス分析レポートと事業所別健康レポートで自健保の課題を客観的に把握。分析結果を事業主・医療スタッフと共有し、保健事業への参加者増加につなげた。 

JMDCの担当者と月1回の定例会を設け、第3期データヘルス計画について集中的に議論しながら、「できていること・できていないこと」を整理してきました。

その中で、総合評価指標の各大項目に対応した年間計画を策定。現状や課題を整理しながら、優先的に取り組むべき施策を明確にしていきました。 


総合評価指標を意識した個別介入通知を展開

受診勧奨や重症化予防、歯科など、総合評価指標の各大項目に対応した個別通知施策を展開しました。

その結果、総合評価指標は2023年度の86点から2024年度には123点(約1.4倍)へ向上。2021年度の74点と比べると大きく伸長しています。

こうした成果は、課題に合わせて多種多様な保健事業を展開するという形で加入者への還元につながっています。

総合評価指標の大項目に対応した保健事業を年間計画に落とし込み、5W1Hを明確にしたうえで実施。あわせて各施策の見込み点数も設定しながら取り組みを進めている。

「評価指標の点数を上げるという明確な意思をもって、JMDCとともにPDCAを回し続けてきました。2026年度は実行フェーズから成果重視型へと移行していく。加えて、加入者と1対1でつながるデジタル環境をさらに強化し、活用していきたい」と、竹本氏は語りました。

 



「登録」から「活用」へ。Pep Upを健康づくりの"基盤ツール"に育てたい

登壇者:全国労働金庫健康保険組合 総務事業部 副部長 髙橋 大悟 氏

全国労働金庫健康保険組合は、第3期データヘルス計画の基盤ツールとしてPep Upを2024年7月に導入。総合評価指標の向上も視野に入れた事業設計を進めている。

 <全国労働金庫健康保険組合
・総合健保
・被保険者数:13,247人
・被扶養者数:8,499人
・事業所数:28カ所
※2026年3月時点

課題 加入者への情報発信と健康づくりへの参加促進。
施策 第3期データヘルス計画の基盤ツールとしてPHRサービス「Pep Up」を導入。労金協会・労働組合・事業所と連携して登録促進を進めるとともに、ウォーキングラリーや事業所独自のキャンペーンを実施した。
効果 Pep Up登録率97.6%を達成。ウォーキングラリーには登録者の59.7%(7,521名)が参加。その後の効果検証では、歩数増加の効果が5か月後まで持続することを確認した。

 


ウォーキングラリーは登録者の6割が参加。効果検証で見えた変化

全国労働金庫健康保険組合(以下、労金健保)のPep Up活用事例は、JMDC STORIESでも紹介しています。

関連記事)「Pep Up」を"基盤ツール"に育てたい

2024年7月の導入開始から、労金協会・労働組合・事業所が一体となった組織的なアプローチにより、2025年3月の登録率は97.6%に達しています。

 

機関会議での登録状況の共有や、労働組合と連携した登録促進、未登録者への個別フォロー、健保常務理事から各事業所への働きかけなどを継続的に実施。その積み重ねが高い登録率の実現につながりました。

 

今回のユーザー会では、「登録から活用へ」のフェーズ転換に向けた取り組みと、Pep Upを活用したウォーキングラリーの効果検証を中心に成果が語られました。 

Pep Upを活用した初の全国規模の健康イベントとなった 「ろうきんWALKING RALLY 2025」

2025年10月に開催した全国版ウォーキングラリー「ろうきんWALKING RALLY 2025」には、登録者の59.7%にあたる7,521名が参加。その後の効果検証結果がこちらです。

参加者の平均歩数はウォーキングラリー開催前の9月に比べ10月は8,805歩と増加、その後も9月に比べ有意な増加を維持し、効果は5か月後まで持続しました。

ウォーキングラリー参加者の平均歩数は非参加者の平均歩数(約7,100〜7,200歩)を一貫して上回り、健康行動の継続につながったことがうかがえる結果となりました。

 

この成果は、第99回日本産業衛生学会(2026年5月)において発表されました。演題名「健康保険組合における民間PHRを活用したウォーキングラリーイベントの効果検証」


事業所で広がるPep Up活用。好事例を横展開

事業所単位での自発的なPep Upの活用も生まれています。長野県労働金庫では、Pep Upの「事業所管理画面」や「日々の記録」機能を活用した血圧測定キャンペーンを実施し、参加率41.6%・目標達成率46.0%を達成。理事長自らがポスターに登場して職員にメッセージを発信するなど、トップを巻き込みながら取り組みを推進しました。

こうした好事例は健康管理関連の会議体や広報媒体を通じて共有され、他事業所への横展開も進められています。 

 

・事業所管理画面|事業所ごとの登録状況や利用状況を確認できる、Pep Up管理者向け機能。 

日々の記録|健診結果や日々の行動を見える化し、加入者の自発的な健康づくりを支援するPep Up加入者向け機能。

2025年度の取り組み実績と2026年度の施策計画を一覧化。登録から活用へのフェーズ転換に向けた具体的なロードマップ。

「登録してもらうことがゴールではない。日常的に使われる基盤ツールにしてはじめて、保健事業として意味を持つ」

 

全国労働金庫健康保険組合では、年間平均50%以上のアクティブユーザー率を次の目標に掲げています。2026年度は「日々の記録」の活用、業態全体版の第2回ウォーキングラリーに加え事業所版ウォーキングラリー(Pep Up for WORK)の展開など、継続的な接点を生む施策を積み重ねていき、健康状態の改善についてもしっかりと検証を行っていく計画です。

「事業所が行う健康経営と、健保が行うデータヘルス計画。この両輪を走らせるための基盤がPep Upです。最終的には保健事業全般をここに集約していけるのが理想で、そのためにJMDCと共にPep Upを進化させていきたい」 と髙橋氏は語りました。


『自健保でも実践したい』─参加者の声

業態も課題も異なる2つの保険者様でしたが、いずれも自健保の課題と向き合いながら、データを活用した取り組みを進めている点が印象的でした。その実践事例は、ご参加いただいた皆様からも大きな反響をいただきました。

 

「指標を引き上げるまでの具体的な取り組みや試行錯誤の過程が共有されており、非常に参考になりました。単に結果だけでなく、その裏側にある地道な改善や関係者との連携の重要性がよく分かる内容でした」 

 

「両健保様ともに総合評価指標点数を取るための施策をしっかりされている、目標が明確でデータを元に実行していると感じました」

 

「どちらの健保さんもトップダウンを活用され、登録率が高いというところが参考になりました。事業所との連携やパイプ強化の下地はできていますが、トップダウンで健保の事業を発信してもらえるチャンス作りを検討したいと思います」 

 

「ウォーキングラリー後の効果検証を自健保でも実施してみたいと思いました」


ユーザー会でご紹介したJMDCサービスのアップデート

ユーザー会では、各プロダクトのアップデートもご案内しました。
4月にはデータ分析ツール「健助+」をリリース。PHRサービス「Pep Up」はID発行数800万を超え、10周年を迎えました。また、2026年8月には血圧測定チャレンジの提供開始も予定しています。

 


さいごに

ユーザー会開催後には懇親会も実施し、ご参加いただいた保険者様同士、またJMDC社員との間で活発な意見交換が行われました。

ご登壇いただいた皆さま、そして本ユーザー会にご参加いただきましたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

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