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血圧測定を習慣化するには?—調査データと保険者事例から見るポイント

血圧測定の習慣化は、高血圧の早期発見や生活習慣の改善につながり、重症化予防の観点から保険者が加入者に継続してほしい取り組みのひとつです。

本記事では、JMDCの調査データと、神戸製鋼所健康保険組合様の取り組みをもとに、血圧測定の習慣化につながるポイントを紹介します。

 

【この記事でわかること】

  • 血圧を記録・連携するようになった人は、健康意識の変化を実感している

(JMDC調査①Pep Upリサーチ・血圧計保有者6,524人を対象)

  • 血圧測定イベントが、測定をはじめるきっかけになる

(JMDC調査②Pep Up血圧測定チャレンジ参加者:9,674人)

  • 手入力ユーザーと比べ、自動連携ユーザーはキャンペーン終了後も血圧測定を続ける傾向がある

(神戸製鋼所健康保険組合様・キャンペーンデータ分析より)


高血圧の基準やリスク——高血圧が「サイレントキラー」と呼ばれる理由

 

はじめに、高血圧の基準とリスクを整理します。
診断基準は、診察室・健診時の血圧値が140/90mmHg以上、または家庭での血圧が135/85mmHg以上です(日本高血圧学会の高血圧診断基準より)。

高血圧はほとんどの場合、自覚症状がないまま動脈硬化が進行し、放置すれば心筋梗塞・脳卒中・腎不全といった深刻な合併症を引き起こします。だからこそ「サイレントキラー」と称されます。

高血圧は日本の脳心血管病死亡の最大要因であり、2017年から2019年までの2年間で高血圧が関係する脳心血管病死亡者数は約1.7倍に増加しています(約10万人→約17万人)。

保険者にとって見逃せないのが医療費への影響です。高血圧性疾患の医療費は生活習慣病の中でも最多規模であり、重症化により人工透析が必要となれば高額な医療費が発生します。

詳しくは、「高血圧症とは【保険者が知っておきたい疾病】」をご参照ください。

 


生活習慣の改善と「継続的な血圧測定」が高血圧予防へ

高血圧の多くは遺伝的体質と生活習慣が組み合わさって起こるため、減塩・適度な運動・節酒・禁煙・睡眠管理といった生活習慣の見直しで予防・改善が期待できます。

そのため、健診時だけの測定でなく、日頃から血圧を測定し、自分の血圧の傾向を知ることが大切です。


【JMDC調査】血圧の記録・連携が生活習慣を見直すきっかけに

調査①:血圧の記録・連携による意識の変化を調査

まずは、Pep Upユーザー13,000人を対象にした『血圧計の保有状況とPep Upへの記録・連携状況』の調査結果です。 

 

【調査概要】

 項目      内容
 調査名  Pep Upリサーチ(血圧編)
 実施時期  2026年4月
 調査対象  Pep Upユーザー
 対象者数  13,000人
 分析区分 高血圧治療群※1、高血圧放置群※2、高血圧予備軍※3、血圧正常群※4、健康無関心群※5

※1 高血圧治療群:病院で診断を受けて通院や服薬をしている
※2 高血圧放置群:病院で診断または健診で指摘を受けたが何もしていない
※3 高血圧予備軍:健診で指摘を受けたので気をつけている
※4 血圧正常群:健診で指摘を受けていない
※5 健康無関心群:健診を受けて

 

血圧計を持っていても、記録に結びついていない実態が明らかに。

 

13,000人のうち、血圧計の保有率は50%(6,524人)。保有者を対象にPep Upへの記録・連携状況を調査したところ、わずか41%(自動連携16%+手入力25%)にとどまっていました。病院で診断を受けて通院・服薬している治療群(48.6%)や、健診で指摘を受けている予備軍(46.6%)でさえ、半数以下という現状が明らかになりました。

 

実際に血圧データをPep Upに記録・連携するようになった2,674人に意識の変化を尋ねたところ、高血圧の管理が求められる3つのセグメント(治療群・放置群・予備軍)のいずれも、8割以上が「生活習慣や健康への意識が変化した」と回答。 

「数値の変化や傾向に気づくようになった」
「食事や運動など他の生活習慣も意識するようになった」


調査②:血圧測定チャレンジによる習慣化を調査

続いて、Pep Upユーザー9,674人を対象にした『血圧測定チャレンジ』の調査結果です。血圧測定チャレンジは、血圧の測定回数にポイントインセンティブを付与するイベントです。参加前後の測定状況と、終了後の継続状況を分析しました。

 

【調査概要】

 項目 内容
 分析対象 「血圧測定チャレンジ」参加者
 対象者数 9,674人
 分析内容 チャレンジ参加前の血圧測定状況と、終了後の測定継続状況を分析
 対象期間 参加前:2025年6月1日~8月31日
終了後:2025年9月1日~10月28日

 

参加者の半数以上が、チャレンジをきっかけに新たに血圧測定を開始

 

参加者の約半数はチャレンジ前から血圧を測定しており、残りはチャレンジをきっかけに、測定を開始。測定を続けるうちに自分の血圧の傾向に気づき始めた参加者からは、こんな声が寄せられました。

「毎日の測定で高い日・低い日の傾向が見えてきた。前日の飲酒で数値が変動することに気づいた」

「高くて不安になり、ウォーキングを始めようと思った。生活習慣の見直しを意識できた」

「これまで全く血圧を気にしたことがなく、漠然と測った方が良いかなと考えていました。今回のキャンペーンのおかげで、習慣化してきているので、なるべく続けていきたい」

 

チャレンジ終了後(9〜10月)も88%の参加者が測定を継続。うち56%は週5日以上という高い頻度で測定を習慣化していました。

 

これまでのJMDCの調査結果から、血圧を記録・連携することで生活習慣や健康への意識が変わる傾向があり、血圧測定チャレンジは、測定の習慣化につながる傾向があることがうかがえます。
 

次からは実際の健保事例として、神戸製鋼所健康保険組合様の取り組みを紹介します。


【保険者事例】神戸製鋼所健康保険組合様
ポイント施策とデバイス活用で測定継続率が向上

神戸製鋼所健康保険組合様では、2026年1月15日〜2月13日にかけて「体重・血圧測定キャンペーン」をPep Up上で実施しました。

 

【健保プロフィール】

神戸製鋼所健康保険組合(単一健保)

・被保険者数29,092人(令和7年4月現在)

 

【キャンペーン概要】

 項目  内容
分析対象   

神戸製鋼所健康保険組合に加入する 体重・血圧測定キャンペーン参加者

分析内容 キャンペーン前後の週次血圧記録数と、記録方法別(Omron自動連携・手入力)の継続状況を分析
対象期間 ・キャンペーン前:2025年12月
・キャンペーン中:2026年1月15日〜2月13日
・キャンペーン後:2026年2月16日〜3月16日
分析方法  週次記録数の平均値をキャンペーン前後で比較

 

【施策概要】

  • デバイスの割引購入支援:オムロンの専用クーポンを活用し、血圧計・体組成計を割引価格で購入できる機会を加入者に提供
  • ポイントの大幅増量:体重・血圧データをPep Upに記録すると付与されるポイントを昨年度1日1ptから、11ptへ引き上げ 

この施策の前後でキャンペーン参加者の血圧記録状況を分析したところ、記録方法による継続率の差が明らかになりました。

 

【効果】

  • 参加者数の増加:インセンティブの引き上げとデバイスの入手しやすさを組み合わせたことで、キャンペーン期間中の血圧・体重データの入力者数はいずれも前年度を上回りました。
  • 自動連携ユーザーの高い継続率:キャンペーン終了後の血圧測定の継続率を比較したところ、手入力ユーザーの継続率が約51%だったのに対し、自動連携ユーザーは約86%と継続率が高い傾向が見られました。

※自動連携ユーザーはもともと測定への意欲が高い層である可能性もあり、自動連携の効果のみと単純に比較できない点にはご留意ください。

 

【神戸製鋼所健康保険組合 事務長補佐 村井様より】

手入力ユーザーはキャンペーン終了後に測定をやめてしまうケースが多い一方、血圧値をOmronアプリで自動連携しているユーザーはキャンペーン後も測定を継続していました。継続率は86%でした。

また、血圧測定キャンペーン前にデバイスの割引購入支援を実施したところ、多くの加入者に測定機器を購入いただきました。Omronアプリと連携することでPep Upへの自動連携が可能になり、測定のたびにアプリを開く手間がなくなります。その結果、血圧測定キャンペーン終了後も測定が定着している傾向が見られました。


ICTやデジタル活用の取り組みは、総合評価指標の評価対象にも

Pep Upの血圧測定チャレンジとデバイスの自動連携を組み合わせた取り組みは、総合評価指標(2027~2029年度)が示す方向性と重なります。

 

大項目4「デジタル活用・予防健康づくりの体制整備」では、「ICTやデジタル技術等を活用した事業に取り組み、PDCAサイクルで事業の見直しを行うこと」が評価指標として明示されています(厚生労働省)。

 

【ご案内】

JMDCでは、Pep Upと連携した血圧測定チャレンジと、Pep Upへ自動連携可能なOMRON血圧計を通じて、血圧測定の習慣化を支援しています。

Pep Up「血圧チャレンジ機能紹介」

 

「すでにPep Upを活用しているが、デバイス導入の効果やコストについて詳しく知りたい」「自組合の加入者状況を踏まえた活用方法を相談したい」といったご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

なお、現在「OMRON 上腕式血圧計 HCR-7627T」は、JMDC限定の特別キャンペーンを実施しています。詳細は、お問い合わせ時にご案内いたします。


ウェアラブルデバイスの提供や活用施策のご提案については、
下記よりお問い合わせください。

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